現在29店に減少『ヨーカドー』閉店ラッシュで存続危機も...「かけがえのない居場所」「すごい安心感」
ポッポはセブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカドーが運営するファーストフードチェーン。1976年に「ポッポ」1号店をイトーヨーカドーせんげん台店(埼玉県越谷市)に開店しました。らーめん、たこ焼、今川焼、ソフトクリーム、お好み焼、フライドポテトなどを販売し、買い物ついでに気軽に立ち寄れる利便性や手頃な価格帯が支持されています。
店舗数は2024年6月時点で35店あったものの、8月末時点で31店、10月末現在で29店に減少。さらに、セブン&アイ・ホールディングスの発表によれば、来年2月末までにヨーカドー竜ケ崎店、川崎港町店の閉店が決まっており、同店に入るポッポも終了するとみられます。
今回、初めて「ポッポ」を利用します。
ポッポと同じくセブン&アイグループのファミレス「デニーズ」のアプリでクーポンが配信されていたので、その存在は知ってはいたものの、「ヨーカドーの店内にしかない」という特殊な形態から、これまで生活圏に存在しなかったこともあり、未体験のまま今に至ってしまいました。
同じように「名前は知ってるけど、行ったことない」という人、少なくないのでは?
私の前のテーブルでは、2歳くらいの女の子が「ママ、おいしいね。おいしいね」と満面の笑顔で母親と醤油らーめんを食べていて、その横のテーブルからは、中学生の女の子2人組が、ラーメンを食べながら「大学卒業したらどうする?」「このスープおいしいよ、飲む?」なんて会話をしているのが聞こえてきます。
奥のテーブルでは、おばあさんがひとりでソフトクリームを食べていたり、老夫婦がラーメンを食べながら話し込んでいたり。今川焼を楽しそうに食べている大学生カップルの姿もあります。そしてもちろん、ひとりでらーめんとポテトをつまむ中年女性――私のような存在も自然に溶け込んでいます。
子どもから高齢者まで、いろんなライフステージの人がポッポのフードを食べているだけなのに、なんだかすごい安心感。居心地が良すぎて、閉店までここで仕事をしたいと真剣に考えてしまったほどです。
ポッポのラーメンやフライドポテトは評判通りおいしく、コスパもとても良いことがわかりましたが、その魅力の真髄は、この「おいしいね」の声が聞こえてくる平和な空間にあるような気がしました。
実際、このヨーカドーにはラーメンチェーン店が入っているのに、ポッポのほうを選ぶ客がこれだけいるという事実。ポッポが数年後、何店舗に減っているのか? もしくはそう遠くないうちに絶滅しているのかもしれませんが、少なくとも現在は利用者に求められている、かけがえのない居場所になっていることを実感しましたとサイゾーウーマンは報じている。
編集者:いまトピ編集部