『紅白歌合戦』16分にわたる電波ジャック「タイムテーブルが崩壊」「スタッフはタコばっか」
「年の瀬の風物詩」と呼ばれてきた『NHK紅白歌合戦』では、生放送なだけに様々なハプニングが放送されてきた。その多くは昭和時代のものだが、平成時代のインパクトも他の引けを取らない。
出演者や視聴者のド肝を抜いた伝説の事件、放送事故スレスレの危ないパフォーマンスをプレイバックしていこう。
昭和が終わり、平成へと移った1989年から紅白は2部制となったが、このころに起きた戦慄の事件として名高いのが「長渕剛の電波ジャック騒動」だろう。
1990年(平成2年)に起きたこの事件は、東西ドイツが統一されたばかりのベルリンからの生中継の際に起きた。初出場にもかかわらず海外からの出演となった長渕は、中継が繋がると「こっち(のスタッフ)はタコばっかりですわ」と暴言を吐いて『親知らず』を熱唱。歌い終わると、飽き足らずに『いつかの少年』『乾杯』と3曲を歌い上げ、約16分間も番組を独占したのである。
「そのため、当初予定されていたタイムテーブルが崩壊。紅白のスタッフは他の出演者の時間をカットして対応するしかなく、北島三郎などの大御所もカンカンとなった。もちろん視聴者からの抗議も殺到し、NHKは面目を失ったのです」(古参の芸能記者)
後年、“出禁”が解けて13年ぶりに紅白に出場した長渕は「クソ生意気なガキだった。本当にすいません!」と謝罪している。
長渕つながりで言えば、翌1991年(平成3年)にとんねるずが起こした「激安衣装事件」もぶっ飛びものの騒動だった。
この年、長渕の楽曲『ろくなもんじゃねぇ』のパロディソング『情けねえ』を引っ下げて紅白に初出場したとんねるずは、全身を白(石橋貴明)と赤(木梨憲武)にボディーペインティングし、同じ色のパンツとアフロのカツラを身に着けて舞台に登場。ほぼ、“パンツ一丁”の状態で歌を熱唱した。
「紅白は歌だけでなく、衣装も視聴者の注目を集める。そのため、出演歌手は競うように凝った衣装や豪華絢爛な着物を着こむのが定番だった。その最たるものが毎年、騒がれてきた小林幸子のド派手衣装だが、お笑い芸人のとんねるずはこれを逆手に取った激安衣装で登場。放送コードすれすれのパフォーマンスを演じたのです。しかも、2人の背中には『受信料を払おう』という文字が…。」(同)
この大胆なパフォーマンスは一瞬、視聴者をあ然とさせたものの、一流のギャグとして受け入れられ、のちに「NHKから感謝のコメントが寄せられた」との話も流れたほどだった、と週刊実話WEBが報じている。
編集者:いまトピ編集部