『経営コンサルタント』の倒産、過去最多「2年連続」
東京商工リサーチは1月10日、2024年の「経営コンサルタント業」の倒産件数が、集計開始以来、過去最多を更新したと発表した。コンサルタントといえば経営のプロフェッショナルであるはずなのに、なぜ、倒産が相次ぐのか。
同集計によると、24年のコンサルタント業の倒産は154件で、23年の143件を上回って2年連続で過去最多を更新したという。倒産が多かったのは資本金が1億円未満の中小企業がほとんどで、従業員も5名以下の小規模事業者が9割以上を占めており、参入の容易さから新規参入が相次ぐ一方、資産背景に乏しい中小コンサルタントが売上不振に陥ったのではないかと分析している。
日本のコンサル業界は18年に1兆円を突破すると、その後も右肩上がりで、5年後の23年には2兆円に到達するなど急成長を遂げている。新規で開業するフリーのコンサルも数多く登場した。
「コンサルは有名大学を卒業した優秀な人材しかなれない、と思われるかもしれませんが、そんなことはまったくなくて、これといった資格や下積みがなくても、いつでも誰でも始めることができます。そのため、ここ最近のコンサル人気に乗っかり、ほとんど独学で現場すら知らない自称コンサルも急増。一方、依頼する側は、より専門性の高い知見を求めるようになり、厳しい目が向けられるようになりました。そのため、なかなか実績が上げられないコンサルの場合、契約が打ち切られるといったケースが増えたのだとみられています」(経済ジャーナリスト)
成長を続けてきたコンサル業界も、今後は市場規模が頭打ちになると見られている。それなりの知識や実績、人脈を有しなければ、さらに厳しい経営を迫られることになるだろう。
編集者:いまトピ編集部