2025/2/4 21:24

自宅から53枚のエプロンが見つかったピアニスト「服を守ること」が目的

孤独

昨年4月25日午後3時ごろ、沖縄県・新石垣空港に駐機中の全日空(ANA)便機内で、ギャリーと呼ばれる簡易キッチンに置いてあった40代女性キャビンアテンダント(以下CA)のエプロン1枚を、自分がはいていたズボンの中に入れ込んで盗んだ窃盗の罪に問われている、ピアニスト・齊藤一也被告の事件を覚えておいでだろうか。1月29日に、東京地裁で行われたこの事件の公判詳細を「東スポWEB」(1月30日付)の報道で知り、ある1つの大きな疑問にぶつかっている。

 齊藤被告はCAのエプロンを盗んだことを認め、自宅からはエプロン53枚がみつかった。齊藤被告によると、窃盗の動機は「私は服に対して異常な愛情がありまして、そういったものに興奮を覚える特性があります。服を粗末に扱われることに恐怖を覚えます。服を守りたいという思いから、この行動に至りました」と証言。さらに「性的な行為に使う目的はありません」とも。あくまでも「服を守ること」が目的だったと説明した。

 さらに、小学生のころに読んだマンガ「名探偵コナン」の登場人物の1人である「毛利蘭」のエプロン姿を見てエプロンに興味を持つようになったとし、それをきっかけにエプロンや制服に執着するようになり、服にも人格があると思うようになったと述べた。犯行当時の心情として、CAがサービス終了後に外したエプロンが、丸めて置かれて粗末に扱われていたことを目にして「エプロンに人格があるように感じていたので“悲鳴”“助け”を求めているように感じました。守ってあげたいと感じました」などと被告人質問で答えたため、東スポWEBによると「エプロンを守りたい」と主張する齊藤被告に対して「性的目的だったのでは?」と疑惑の目を向ける検察による“カオスな問答”が繰り広げられたという。

 私は、人には理解されにくい習性について取材することをライフワークにしているので、齊藤被告にとても興味を持っている。「名探偵コナン」の毛利蘭といえば、タイトルにある「コナン」こと工藤新一の幼なじみで恋人でもある同作のヒロインだ。しかし蘭のエプロン姿というのはなかなかマイナーだから、そこに目が行くという時点で「人とわかり合えない感覚」を持っていたのではないだろうか。

 さらにそこからエプロンや制服に執着し、服にも人格があると考えるようになったというのが真実であれば、新品のエプロンや制服がハンガーに吊るされて販売されている状況を見て、「助けたい」と感じたことはなかったのだろうか。「性的目的ではない」と言うなら、新品を購入することが「守る」ことにはならなかったのだろうか。

 齊藤被告が世界中の新品エプロンや新品制服を買い占めたとしても、罪に問われることはない。盗んだことが罪で、誰かが使っていた物に手を出したから「性的目的ではないのか?」と問われているのだ。齊藤被告本人より妻のほうに心配の声があがるのも非常によくわかる。どうか気持ちを強く持ってほしい。
と、アサジョは報じた。

自宅から53枚のエプロンが見つかった、ピアニストの「窃盗事件」の“疑問点” – アサジョ自宅から53枚のエプロンが見つかった、ピアニストの「窃盗事件」の“疑問点” – アサジョ

編集者:いまトピ編集部