「耳をミッキーマウス整形」された猫、急増「まさに地獄」
![猫](https://ima.xgoo.jp/word/img/contents/4/60714.jpg)
中国では以前、パンダそっくりに体じゅうを塗りたくられた犬に対し、動物虐待との声が上がったことがある。今やその程度は序の口。中国では今、ペットへの整形手術が大ブームになっているという。香港ニュースメディア「South China Morning Post」などが、その衝撃的な画像を掲載し、波紋が広がったのが今年1月。それが重慶市で猫への「ミッキーマウス耳」の整形手術をPRする病院の、大きな屋外広告だった。
記事によれば、この「ミッキー耳手術」にかかる費用は通常、600元(1万2000円)程度らしいのだが、なんとその広告に掲載された費用は300元(約6000円)。広告を見た飼い主から、手術の要望が殺到しているという。
同紙の取材を受けた北京の動物病院院長によれば、ミッキー耳の整形手術はまず、麻酔を使って耳の形を整え、その後、20日から60日をかけて耳が垂直に立つよう矯正していくという。
中国には動物の整形手術を規制する法律がないため、自分のペットをより目立たせたいという飼い主や、希少価値を持たせて高値で販売する悪徳業者などが横行。さすがに批判を避け、大都市の動物病院では大っぴらには行われていないものの、地方では堂々とペットに対する整形手術が施されている。
ただし、麻酔で死んでしまったり、術後の細菌感染による死亡例や、手術中の苦痛で後遺症が残るケースも多い。動物愛護団体からは手術の中止や規制を求める声が相次いでいるものの、現状では法律がないため、当局が規制に乗り出す気配は全く見られない。
整形を施された猫や犬の中には、術後の痛みに耐え切れず、繰り返しその場所を引っ掻くなどの自傷行為を行ったり、加齢によって整形箇所と他の部分とのバランスが崩れ、障害が出るケースが少なくないという。
「それでも病院に行って手術するならまだしも、最近ではネット通販で飼い主が『DIY手術キット』を購入することも。しかもそれが、わずか数百円で販売されているのですから、恐ろしいとしか言いようがない。むろん、そんな低価格で販売する業者が動物用医療器具販売の免許など持っているはずはなく、『手術中』に何があっても責任は飼い主にある。ペットにとっては、まさに地獄と言うしかありませんね」(ペット業界関係者)
実はペット整形は中国だけの話ではなく、美容整形が盛んな韓国でも、ペットの皺を取ったり二重まぶたや目を大きくしたり、脂肪吸引やボトックス注射などが大ブームだとされる。
一方で、ブラジルでは2000年代にペットの美容整形手術が社会問題化し、リオデジャネイロ州議会で、犬と猫への美容整形手術禁止法案が可決された。だが悲しいかな、飼い主の盲目的自己顕示欲が生んだペットへの虐待は、過激化していく…。
編集者:いまトピ編集部