8週連続でトップ10内『映画』興行収入は13億円を突破「劇場で見るにはキツすぎる」まさかのヒット
俳優・向井理が主演を務めて、上白石萌歌がヒロインを演じる映画『パリピ孔明 THE MOVIE』が4月25日から公開される。
原作は四葉夕ト氏と小川亮氏による「ヤングマガジン」(講談社)連載の人気コミック。
中国三国時代の天才軍師・諸葛孔明が現代の渋谷に転生し、アマチュアシンガーの月見英子をスターダムに押し上げていくという奇想天外な設定が話題を呼び、2023年の秋にはフジテレビの“水10枠”でテレビドラマ化もされた。
「全話平均世帯視聴率は4.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と微妙なものでしたが、若者層に支持されたことでTVerでの『お気に入り数』は72万人超え。同時期の人気ドラマ『相棒 season22』(テレビ朝日系)を上回る記録となりました。インターネット上でも『ゆるくて観やすい』や『キャラが濃すぎて好き』など肯定的な意見が多く、実質的には“配信特化型ヒット作品”となりました」(テレビ誌ライター)
今回の映画ではスケールアップしたライブシーンが目玉となっており、「ミュージックバトルアワーズ2025」と呼ばれる架空の巨大フェスを舞台に、孔明と英子が壮絶な音楽バトルに挑む姿が描かれるという。
また、向井や上白石以外にもドラマ版からディーン・フジオカ、森山未來らおなじみのキャストが続投。
さらに、神尾楓珠や水曜日のカンパネラの詩羽などフレッシュなゲストも加わり、人気音楽ユニットYOASOBIの幾田りらが書き下ろし楽曲を提供するなど話題性は高そうだ。
だがその一方で、映画公開を目前に控えた現在もそのネット上の前評判は「期待」と「不安」が入り混じる五分五分の状態にあるというのが実情だ。
映画業界関係者は明かす。
「SNSを中心としたプロモーションが若者層に刺さるかどうかが成否を握りそうです。ターゲットが明確なぶん、プロモーションはピンポイントで響けば爆発力がありますが、そこを外せば一気に空振りになりかねません。まさに諸葛孔明ばりの“計略”がプロモーション側にも求められています」
もっとも、ここに来て同映画には意外な追い風も吹いているという。
「同じくフジテレビが制作し、現在も上映中の映画『アンダーニンジャ』の存在です。公開当初は福田雄一監督によるコメディ要素満載の実写化ということで話題を集め、初週は全国映画動員ランキングで3位にランクインしました。しかし、その後は『ストーリーが意味不明』『アドリブ風のギャグが笑えない』『劇場で見るにはキツすぎる』といった酷評がネット上に並び、2週目にはランクを落とし、3週目には9位まで転落する結果となりました。
ただ、普通であればそこで終わりなのですが、同作はそこから不死鳥のごとく蘇り、8週連続でトップ10内に再浮上し続け、結果として興行収入は13億円を突破するというまさかのヒットとなりました。この現象の裏には、現在フジが抱えている“スポンサー離れ”問題が深く関わっているように思えます」(前出の映画業界関係者)
フジといえば、芸能界を引退した元タレントの中居正広氏と女性とのトラブルに端を発した問題でCMスポンサーが次々と離脱し、その数はじつに300社を超える事態にまで発展している。
「結果、同局では公共広告機構(AC)のCMが大量に流れるようになったことが話題になりましたが、最近ではフジテレビが制作する自社コンテンツの宣伝、特に映画『アンダーニンジャ』のCMが地上波に繰り返し投下されることになっています。
テレビCMが一日中流れていれば、どんな作品でも一定数の認知度は得られる。同作の“復活”の実態としては、内容が再評価されたというよりもこのCM効果が興行収入を押し上げたと見る方が自然でしょう。そして、こうした“アンダーニンジャ現象”は、今まさに公開直前に控える『パリピ孔明 THE MOVIE』にも当てはまりそうです」(同映画業界関係者)
フジが製作に関わっている『パリピ孔明 THE MOVIE』もまた、『アンダーニンジャ』と同様に大量のCMがフジで流れる可能性が高そうだが、芸能ジャーナリストの竹下光氏は語る。
「3月31日には一連の問題で局員の関与が指摘されたフジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が設置した第三者委員会が調査結果を公表。“本事案はフジの業務の延長線上における性暴力であったと認められる”とするなど同局にとっては厳しい調査結果となりました。今後もしばらくはスポンサー離れが続くことになるでしょうし、その穴埋めとしてACや自社関連のコンテンツやイベントなどのCMが放送されることになるでしょう」
果たして、『パリピ孔明 THE MOVIE』はフジのCMスポンサー離れという意外な追い風を受けて、『アンダーニンジャ』と同じようにヒットを放つことができるのだろうかとサイゾーオンラインは報じている。
編集者:いまトピ編集部