「びっくりドンキー」、過去最高へ

●この記事のポイント
・びっくりドンキー、「顧客満足度調査(飲食業種)」で常に上位ランクインし、業績も好調だ。直近期(2024年3月期)の決算では過去最高益を記録
・DX活用に積極的に取り組んでいる外食チェーンの一つ
・「デジタルによる効率化」と「人によるおもてなし」、それぞれの強みを活かすことを重視
1枚の木の皿にハンバーグやライス、サラダを載せた「ワンプレート」の料理が人気の「びっくりドンキー」。毎年行われる日本生産性本部による「顧客満足度調査(飲食業種)」で常に上位ランクインしており、業績も好調だ。直近期(2024年3月期)の決算では過去最高益を記録している。少し前には、ある店舗で2台の猫型配膳ロボットが通路で向かい合って止まり“ケンカ”をする様子がXで紹介され、“ほっこりするシーン”だとして話題となっていた。実はびっくりドンキーは配膳ロボット導入をはじめとしてDX活用に積極的に取り組んでいる外食チェーンの一つでもある。今回は運営会社であるアレフに、具体的なDX戦略、さらには今後の商品展開・店舗計画について聞いた。
──猫型配膳ロボット同士が“ケンカ”をする様子が、非常に「ほっこり」するシーンだとXで話題となっていました。
現在、「びっくりドンキー」は全国に345店舗ありますが、配膳ロボットはこのうちの約4割にあたる141店舗に導入されています。導入の目的は「お客様の利便性向上」です。商品をお届けする時間を短くして、出来たての商品をお届けすることが一番の目的です。
配膳ロボットの導入に際しては、様々な条件を設定して決めています。その中の一つに「安全性の考慮」という項目があって、「一定の通路幅を確保できている」などの条件を満たした店舗だけに導入しています。
──配膳ロボットについて他にも何かこだわった部分はあるのでしょうか。
「お客様の利便性向上」という点において、商品の取りやすさにこだわりました。お客様が座ったままでも商品を取れる機種を選定しています。1台で1度に複数卓の料理を運ぶと、座ったままでは商品を取り出すことができないため、当店では1卓ずつ運ばせるようなオペレーションをしています。
さらに独自の仕様として走行音にもこだわりました。「びっくりドンキー」の雰囲気に合うように、カウベルという打楽器の音をベースにした耳に優しい心地よく響く音色に変更しています。この音楽は当店向けにカスタマイズしたものです。
──配膳ロボット以外にもシステム投資の取り組みをされているのでしょうか。
客席でのタブレットオーダーと自動精算機を組み合わせたシステム、スマートフォン専用のWEB来店予約システムなどを展開しています。
タブレットオーダーシステムは、現在、全体の7割にあたる約230店に導入しています。「びっくりドンキー」では以前から木製のメニューがお客様に親しまれていましたが、タブレットオーダーを導入した店舗ではこの木製のメニューを廃止しました。
いずれの店舗でも好評ですね。タブレットを導入した店舗で、従来の木製のメニューに戻したお店はありません。「お客様の利便性」を第一に考えて変えるべきところは変えていくつもりです。
ただし「びっくりドンキー」の特長であるワクワク感を大事にしたいので、タブレットの画面にもそういった演出を工夫しています。お客様が来店された人数をタブレットに入力すると、木製メニューの扉が開くアニメーションを入れています。そういった遊び心というか、ワクワクする演出を取り入れながら、タブレットオーダーシステムを増やしています。
──実際にこれらのシステムを導入した結果、どのような効果があったのでしょうか。
お客様からは、「オーダー時や会計時に待たなくて済む」「席に着いてから商品が届くまでの時間が圧倒的に短くなった」「トッピングや追加のオーダーがしやすい」といった声をいただいています。
と、ビジネスジャーナルが報じた。
編集者:いまトピ編集部