見なくていいがっかり『ドラマ』裏目に出てメリハリない、演技派揃えたのに...

テレビ各局で春ドラマの放送が始まった。今期もさまざまジャンルの作品が放送されているが、何を見たら良いのか迷ってしまうところだろう。
そこで、毎クールすべてのドラマに目を通しているテレビ局スタッフのA氏に「見なくていいがっかりドラマ」を紹介してもらおう。
まず1本目は、Travis Japan・松田元太が主演の『人事の人見』(フジテレビ系)だ。
大企業の人事部を舞台とする珍しいドラマで、主人公はおバカでピュアすぎる人見廉(松田)。社内で起きるパワハラや残業、副業の問題などを取り上げ、人事部の目線で社員たちの心のケアをしていくお仕事系ドラマだ。
軽快な会話劇を展開する演劇のような作品のため実験的であるものの、肝心の俳優陣たちの演技がイマイチだとA氏が解説する。
「松田さんにとって地上波ドラマ単独初主演作だが、人見のおバカキャラがおもしろくない。松田さんといえば『東京タワー』(テレビ朝日系)では人妻との情事に溺れる青年を丁寧に演じて、演技力も注目されていた。ただ『人事の人見』では、バラエティー番組などで見せるおバカキャラそのままで、魅力を感じられない。
脚本は松田さん本人のキャラに当て書きしたそうだが、裏目に出ている。また、ヒロインを演じる前田敦子さんは、常にヒステリックに怒っている演技ばかりでメリハリがない。松本まりかさん、小日向文世さん、鈴木保奈美さんなど演技派を揃えたのに、マッチするような配役を脚本で描けていないのも問題です」
さらに、同じくフジテレビで放送されている松本若菜主演の『Dr.アシュラ』も、登場するキャラが魅力的でないと指摘する。
「『Dr.アシュラ』で松本さんは、どんな患者も助けるスーパー救命医・杏野朱羅を演じているが、肝心の手術シーンがおざなり。第2話では、難しい手術を行う描写があったのに、執刀シーンはほとんど見せず、次の場面で患者が助かっているという雑な演出だった。また、予算の関係なのか、舞台になる救命室が常に薄暗く、何をしているのか良く見えない。
それ以外にも、準主役のAぇ!グループ・佐野晶哉さんが演じる研修医の薬師寺も問題だ。常に追い込まれ、騒いでいるキャラで、コメディ作品なのかと勘違いするほど。
そもそも、『病院の指示を無視して患者を助ける』という漫画原作ならではの無茶な設定が、脚本でうまく処理できず、リアリティがなさすぎる。キャラのバックボーンもうまく説明できておらず、こちらも脚本で失敗している」辛口のA氏が最後に「見なくていい」と太鼓判を押すのは、志尊淳と岸井ゆきのがW主演の『恋は闇』(日本テレビ系)だ。
演技派の2人が主演を務めることで期待されたドラマだったが、蓋を開けたらガッカリ作品だったようだ。
「同局で放送されていた話題作『あなたの番です』、『真犯人フラグ』の制作スタッフが仕掛けるドラマながら、ミステリー様子が薄く、SNSで考察があまり盛り上がっていない。志尊さんが演じるフリーライターが連続殺人鬼かもしれないという内容ですが、第2話までの段階では謎解き要素が少なく、続きを見たい構成ではない。
志尊さんと岸井さんの役は恋に落ちる設定だが、このままだと恋愛と謎解きミステリーの両方ともに中途半端に終わる可能性が高い。放送回が限られているだけに、要素は2つもいらなかった」
“タイパ”が重要視される現代は、バズに頼る宣伝方法が確立されている。何の取っ掛かりもないドラマが量産されれば、業界が苦しくなるだけだが、視聴者は何を望んでいるのだろうか、と週刊実話WEBが報じた。
編集者:いまトピ編集部