2025/6/4 16:30
『祇園祭』まるでメリットなし

今年も日本三大祭りのひとつ「祇園祭」の季節がやってくるという。1カ月後に本番を控えた京都の街ではすでに準備が始まり、例年どおりの賑わいが予想されているが、その華やかさの裏で、地元商店の間には静かなため息が広がっているようだ。
四条通沿いで老舗飲食店を営む店主は
「昨年もあれだけの人が来ていたのに、ウチの店には誰も入ってこなかったんですよ」
と語る。祇園祭といえば、山鉾巡行や夜店など、町全体が祭り一色に染まる一大行事だが、近年、その賑わいの主役が変わりつつあるといい、続けて言うには、
「来ているのはほとんど外国人観光客。写真を撮るだけで、買い物も飲食もしない。結局、お金が全く落ちないんです」
とのこと。
事地元では祇園祭の時期になると、営業を見合わせる店が少なくないといい、祭り目当てに訪れる外国人観光客の多くが、鉾だけを見てすぐに帰ってしまい、消費行動につながらない様子。その背景には現金決済のみ、日本語表記のみ、立ち食い形式など、従来の屋台文化が今のインバウンド客には馴染みにくいという問題があるという。
観光客数は増えているにもかかわらず、地元経済への恩恵は薄いといい、むしろ、インフラ整備や清掃などの費用ばかりが自治体にのしかかっているのが現実。
「観光都市としての名はありますが、地元には何も残らない。もう『祇園祭は誰のためにあるのか』を見直す時期なのかもしれません」(前出・老舗飲食店店主)
賑わいの陰で、静かに疲弊していく地元商店。伝統行事のあり方が問われていると「アサ芸プラス」が報じている。
編集者:いまトピ編集部