『千葉ロッテ』、擁立の動きか

長嶋茂雄さん死去で「掛布×千葉ロッテ」が急進! ポツンと最下位が続く千葉ロッテ。吉井理人監督の休養説が強まる中、地元・習志野高出身の掛布雅之氏の株が急騰し、監督擁立の動きが…。旗振り役は巨人・阿部慎之助監督の父・東司さんだ。
セ・パ交流戦を終えて、千葉ロッテは首位・日本ハムに12.5ゲーム差の借金12、最下位でリーグ戦が再開したが、今のところ反攻の糸口さえ見出せていない。
本拠地・千葉マリンスタジアムも空席が目立ち始めた。そんな中、ロッテファンの支持を広げているのが、地元のレジェンドである掛布雅之氏だ。
「ミスタープロ野球・長嶋茂雄氏(千葉県佐倉市出身)が6月3日に死去し、ミスタータイガース・掛布雅之(千葉市出身)への期待感が高まっている。来季のロッテ監督就任です」(スポーツ紙記者)
長嶋氏の訃報が報じられた同日の交流戦から、奇しくもロッテ球団は二軍監督のサブロー氏を一軍ヘッドコーチに配置転換した。
スポーツメディアは「吉井理人監督の途中休養を見据えた監督代行、来季監督の布石」などと報じているが、本誌がロッテOBから入手した情報はこうだ。
「千葉市、県の行政サイドと地元経済団体がサブロー来季監督案に“待った”をかけ、掛布氏を担ぐ動きを進めている。サブローヘッドは掛布ロッテの先乗り、地ならしが使命です」
この背景にあるのが「2034年問題」。千葉マリンスタジアム(千葉市美浜区)の移転建て替えだ。
同スタジアムを所有する千葉市は5月22日、現在地から数百メートル北にある幕張メッセの駐車場に移転し、新たに建て替える方針を発表した。
現在と同じ屋外型の人工芝球場で、収容人数は1割増の3万3000人。総事業費は約650億円で、’34年の開業を目指すとしている。
特筆すべきは、幕張メッセ駐車場の土地は県有地で、建設費の大半は千葉市の公費で賄うこと。ロッテが指定管理者で借り受ける形でいわば“店子”となる。立場的に弱い。
自民党千葉県連関係者が次のように語る。
「新スタジアム建設には、幕張・浦安湾岸地域の経済圏拡大の狙いがあり、監督選考においても“大家”である市、県がより強い影響力を持つ。
彼らが期待する監督は、千葉県出身のビッグネーム。今、ロッテにはスター選手が不在なだけに、せめて監督ぐらいは華のある人物じゃないとスポンサーが集まらない」
そこで“白羽の矢”が立ったのが掛布氏というわけだ。
マリンスタジアムから程近い習志野市立習志野高から1974年にドラフト6位で阪神に入団。雑草魂でミスタータイガースに上りつめた。
スタジアム移転へ向けたマリーンズの盛り上げ役には、これ以上のシンボリック(象徴的)な人物はいない。しかし、掛布氏はこれまでタイガース一筋。’20年からは阪神球団の親会社・阪神電気鉄道が新設した特別職「HANSHIN LEGEND TELLER」(ハンシン・レジェンド・テラー)に就き、現在も継続中。今季中のロッテ監督就任は難しい。
そこで捻り出したのが“総監督”案。吉井監督が途中休養した場合、ヘッドコーチのサブロー氏が監督を代行し、掛布氏が“玉虫色”のポジションでチームを支え、来季の監督就任に備えるという筋書きだ。
「聞き及ぶ工程表によると、掛布氏は3年程度監督で指揮、サブロー氏にバトンを渡し、自身は球団幹部(GM)で新スタジアム計画を差配するのではないか」(前出・ロッテOB)
千葉を代表するレジェンド。当然、ロッテは過去の監督選定で掛布氏に打診している。
しかし、「阪神の掛布を全うしたい」と固辞され、以降ロッテは監督の候補リストから外してきた経緯がある。とはいえ、掛布氏の気が変われば、まったく話は違ってくる。
「今年で70歳、おそらくこれが監督のラストチャンス。崇敬する長嶋氏が亡くなったことも大きい。
掛布氏の結婚式でスピーチしたのが長嶋氏。それを考えると、千葉県の野球の発展に尽した遺志を継ごう、と心変わりする可能性はある」(スポーツ紙デスク)
そして今回の「掛布ロッテ監督」の旗振り役は、巨人の阿部慎之助監督の父・東司さんという情報がある。幕張地区の経済団体が、新スタジアム建設プロジェクトを協議する中で掛布監督案が持ち上がり、東司さんが打診、好感触を得たというのだ。
東司さんと掛布氏は習志野高の同級生。「3番・掛布、4番・阿部」でクリーンアップを組み、’72年夏の甲子園に出場した。
息子の慎之助氏とも家族ぐるみの付き合いをしている。
東司さんは中央大の捕手として活躍したのち、実業家を目指し、浦安市で土木会社を起業。東京・千葉湾岸の開発に携わっている。
ロッテ球団は、新マリンスタジアムの開幕セレモニーで、習志野高吹奏楽部の演奏イベントを計画している。
同校吹奏楽部は「美爆音」で全国的に知られ、’18年からは千葉ロッテの応援にも参加。今年も6月13日のヤクルト戦でマリーンズを美爆音で鼓舞し、試合を大いに盛り上げた。
新スタジアムが完成する’34年のロッテ監督は掛布氏が理想だが、9年後には79歳と高齢で現実的ではない。
一方で、58歳の“監督適齢期”を迎えるのが同高OBの福浦和也氏。ロッテ一筋26年で、2000本安打を達成し、オーナーの重光家の信任も厚い。
先のコーチ陣の配置転換では、サブロー氏の後任の二軍監督に抜擢されてもいる。
ロッテは習志野高OBラインで、チーム強化と美爆的な人気アップを図る戦略。これから始まる「掛布・千葉伝説」第2章が楽しみだ、と週刊実話WEBが報じた。
編集者:いまトピ編集部