車両生産、2027年度末に終了

都市対抗野球大会出場に王手をかけた喜びからわずか一夜にして、日産自動車野球部は将来に不安を抱えることになってしまった。
西関東予選第2代表決定トーナメント準決勝で全川崎クラブを破り、代表決定戦に進出した翌日、日産自動車は神奈川県横須賀市にある追浜工場の車両生産を、2027年度末に終了すると発表したのだ。
追浜工場は1961年に操業を開始し、日産自動車の拠点の役割を果たしてきた。しかし近年は稼働率が下がり、昨年は4割にとどまった。製造拠点を整理、集約するため、生産終了となったのである。
これが日産のスポーツチーム、とりわけ硬式野球部に大きな影響を与えることになりそうだ。日産自動車野球部は、リーマン・ショックの影響で2008年に休部。2023年、日産がルノーから事実上の独立を勝ち取ったことで復活が決定、今年から活動を再開した。拠点は横須賀市で、追浜工場で働く選手は多い。当然ながら、生産終了の影響は出てくると、アマスポーツ関係者は指摘する。
「生産終了によって、リストラされる社員が出てきます。そんな人たちにしてみれば『自分たちは解雇されたのに、野球部員が残るのは納得がいかない』となるでしょう。日産の象徴である野球部に非難が集まってもおかしくありません。元選手に聞いた話ですが、選手と一般社員がともに働くことで一体感が生まれ、応援してもらえるようになり、スタジアムには多くの職場の仲間が応援に来てくれた。それが大きな励みになったそうです。肩を並べて働く仲間がいなくなったら、野球部に痛手となるのは間違いありません」
イバン・エスピノーサ社長は、サッカーや野球などのスポーツ事業について「絶対に続けるとは言えないが、ストップする計画はない」としている。ということは、活動休止の可能性はゼロではない。追浜工場の生産終了が、野球部活動休止への第一歩にならなければいいのだが…とアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部