例年なら予約困難だが「今年はガラガラ」キャンセル相次ぐ「異例の決断」も

連日のように続く異常な猛暑が、風情ある京都の夏の風物詩に影を落としている。鴨川や貴船で楽しめる「川床(かわゆか)」が、例年なら予約困難な時期にもかかわらず、今年は空席が目立っているのだ。
地元観光業関係者の表情は暗い。
「7月の三連休にも予約が埋まらなかった店が多く、異常な事態です。昼間は気温が38度を超える日があり、風情どころか命の危険を感じるレベル。地元民も観光客も、外で食事しようという気にはなれないんです」
特に影響を受けているのは、鴨川沿いの川床だ。ビル風や照り返しで体感温度が上がりやすく、夜間でも暑さが引かないことから、キャンセルが相次いでいる。
涼を求めて山間の貴船エリアへ足を運ぶ観光客は増加傾向にあるが、キャパシティーには限界があり、全体の需要を吸収しきれていない。これにはとある「印象」が影響していた。
「東京オリンピックの時に猛暑で選手やスタッフが次々に倒れて、海外メディアが『日本の夏は命にかかわる』と報道していましたよね。あれで日本の夏=危険というイメージが世界中に広がってしまったんです。特に欧米からの観光客は、それをいまだに気にしている印象がありますね」(前出・地元観光業関係者)
いくつかの店舗では「異例の決断」も。例年なら9月末で終了する川床営業を、今年は10月まで延長する動きが出ているのだ。
「猛暑が続いた分、秋の行楽シーズンに需要がシフトする可能性があります。10月になれば気温が下がり、ようやく快適に川床を楽しめるでしょう」(飲食店関係者)
今年の京都は、伝統と自然との付き合い方が問われる夏となった。風情だけでは乗り切れない、猛暑との共存が始まっているとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部