2025/8/25 18:30

正式に発表「吸収合併」衝撃報道

足

横浜フリューゲルスが横浜マリノスと合併する――。そんな衝撃報道で、サッカー界に激震が走った。1998年10月のことだ。
横浜Fの出資会社である佐藤工業とANAが本業の経営不振のため、クラブ運営からの徹底を表明。この事態を受けて、10月29日のJリーグ臨時理事会で、横浜Mと横浜Fの合併が正式に承認された。実質的には横浜Fが横浜Mに吸収合併されることになり、サポーターが反発。合併撤回を求めた。

筆者は11月に横浜市内で行われた、横浜Fのフロントとサポーターの話し合いを取材することになった。話し合いはクラブのフロント側が4~5人。サポーターは100人以上が参加し、それほど広くない部屋がギッシリと人で埋まった。

サポーター「地域密着を理念としているJリーグが、企業の都合で合併はおかしい」
フロント「もっともなご意見だが、ご理解いただきたい」
サポーター「別の企業を探して、フリューゲルスを残してほしい。我々も募金活動で資金を集めるので、なんとか合併は避けていただきたい」
フロント「決定したことなので」

建設的な意見を出すサポーターに対し、フロントは決定事項だからと繰り返すばかり。筆者も聞いていて、単なるガス抜きの場でしかなく「これは何時間話し合っても無駄だろう」と思っていた。

しかし、サポーター側は必死に食い下がった。声を荒らげ、怒りをぶつける者もいたが、多くは自分たちのクラブへの思いや、チーム名を残すためのアイデアを訴え続けた。これは予想外のものすごいパワー、エネルギーだった。
話し合いが終わったのは、翌朝の6時近くだったと思う。すっかり夜が明けていた。だが結局、何の進展もなかった。正直、グッタリした。

その後、吸収合併が正式に発表された。しかしサポーターたちはフリューゲルスを継承するクラブ作りを目指し、1999年に横浜FC設立を実現させた。当時、サポーターたちの熱いを甘く見ていた自分を恥じたものであるとアサ芸プラスは報じている。

朝6時まで「前代未聞の徹夜説明会」横浜フリューゲルス「吸収合併騒動」でサポーターとフロントの大バトル | アサ芸プラス朝6時まで「前代未聞の徹夜説明会」横浜フリューゲルス「吸収合併騒動」でサポーターとフロントの大バトル | アサ芸プラス

編集者:いまトピ編集部