『海鮮』ピークの2%弱、価格高騰「急激に減少」「過去最低」

“イカの街”として知られる北海道函館市で、スルメイカの初水揚げと初競りが中止(6月2日)になるなど不漁が続いている。
スルメイカと同じく“夏のイカ”と呼ばれている白イカ(ケンサキイカ)も高騰。大衆魚が庶民には手が出せない高級魚になった。
国の研究機関『水産研究・教育機構』は今年夏以降、日本の漁場に来るスルメイカの量は日本海側でデータのある1975年以降、過去最低の水準になるほか、太平洋側でも昨年を上回る海域はあるものの、全体としては低水準になるという見通しを発表している。
スルメイカは主に日本海を含む北西太平洋に生息。東シナ海から日本海で生まれた後、成長と共に北へ向かって群れで長距離移動し、北海道周辺で多く漁獲される。
漁獲量は1950年代から2000年まで約30万トン前後で推移していたが、2016年以降から急激に減少した。
「原因は、海水温の上昇や海流の変化、違法操業する北朝鮮・中国船の乱獲、イカを餌とするクロマグロの捕食による資源量減少などが挙げられます。
新潟県佐渡市では、スルメイカの記録的な不漁が続いている半面、クロマグロ豊漁の状況が起きていますよ」(漁業情報センター関係者)函館のスルメイカ不漁に話を戻すと、函館市水産物地方卸売市場の6月の取扱量はわずか10トンで、記録が残る2005年以降、過去最低となった。これはピークだった18年前の6月の560トンと比べ2%弱だ。
「スルメイカの市場取引価格は10年ほど前に比べて3倍近くに跳ね上がり、天然マダイ以上です。
甘さや濃厚な味わいで全国的にも評価の高い鳥取県の白イカは、漁が本格化した6月に例年の半分以下で、その後も不漁が続いています。
値段もうなぎ上り。7月下旬で1キロ1万円前後、8月中旬は3万円…高級料亭でも高すぎて手を出しませんよ」(東京・豊洲市場水産仲卸業者)
日本では約80種類のイカが生息し、そのうち食用として約30種類が流通している、と週刊実話WEBが報じている。
編集者:いまトピ編集部