祈るしかない...「引退」に追い込まれる可能性も

JR上越線で「国鉄D51形蒸気機関車 498号機」が脱線する事故が、9月4日に発生した。脱線したのは後閑駅と上牧駅の間。D51は今年4月にブレーキの不具合が発生して修理を受け、客車5両を牽引する試運転の最中の事故だった。この影響で沼田駅と水上駅の上下線が終日運休した。
原因は直ちに明らかにはなっていないが、脱線と聞けば真っ先に思い出すのは、千葉県のいすみ鉄道だ。いすみ鉄道は昨年10月に起きた脱線事故の影響で、今も全線で運休している。復旧するのは2027年秋で、それも大原駅から大多喜駅の間だけ。上越線も長期にわたって運休にならないか心配になる。
「いすみ鉄道の脱線の原因は、木製の枕木にありました。腐食してレールがずれたわけです。そこで木製の枕木を交換することなったのですが、思っていた以上に修理が必要な場所が多く、時間がかかっています。上越線は保線が行き届いているので、長期運休となることはないと思います」(鉄道ライター)
なるほど、上越線自体は問題ないとしても、懸念されるのはD51だ。2012年に秩父鉄道の「SLパレオエクスプレス」が脱線した際には、牽引するC58形蒸気機関車の修理と点検整備に、半年以上もかかった。D51も修理が必要になれば、運用されている「SLぐんま」にも影響が出ることになる。
「修理できればいいですが、致命的な故障だったら…。D51は1940年製造と古く、調子は万全とは言い難い。しかも蒸気機関車を直せる会社は少ないので、引退に追い込まれる可能性もあります。一刻も早くD51の損傷具合を知りたいですね」(前出・鉄道ライター)
最小被害に収まるよう、祈るしかないとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部