『Jリーグ』大混戦「最後まで目が離せない」

Jリーグの優勝争いは、残り10試合を切った現在でも大混戦。1位から6位までが、勝ち点わずか4差でひしめいている。7位の川崎フロンターレ、8位の浦和レッズにも優勝の可能性があるが、ここまでの戦い方を見ると、やはり優勝は上位6チームの争いとみた。
大混戦を招いた原因は、どこのチームにも混戦から抜け出す決め手がなかったこと。まさに本命なき大混戦と言っていい。
1位 京都サンガ(勝ち点55)
2位 鹿島アントラーズ(同55)
3位 柏レイソル(同54)
4位 ヴィッセル神戸(同54)
5位 町田ゼルビア(同51)
6位 サンフレッチェ広島(同51)
首位に立つ京都と2位の鹿島は天皇杯、ルヴァンカップで敗退しており、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)にも出場していないことから、日程的にもラクで、リーグ戦一本に集中できるのは大きい。上位2チームが優勝に最も近いのは事実だ。
3位の柏は昨季、最終戦で残留を決めたチーム。それが今季はリカルド・ロドリゲス監督が就任すると、ポゼッションサッカーで常に上位に顔を出し、安定した強さを発揮している。抜け出せなかった理由は、上位陣との対決で一度も勝てなかったことが大きい。残り試合でもまだ上位対決は残っている。そこを乗り越えれば、優勝の可能性はある。
4位の神戸はリーグ戦、ACL、天皇杯と過密日程が課題といわれているが、昨季もこの三つの大会を経験し、リーグ戦と天皇杯の2冠に輝いて、ACLもしっかりと勝っていた。過密日程を理由にするようなチームではないし、その過密日程をどう戦うかを考えられるチームだ。
5位の町田は一時期、完全に優勝争いから脱落しかけていた。そこから破竹8の連勝で、再び優勝争いに加わってきた。昨季、初のJ1昇格で快進撃を見せ、最終戦まで優勝を争ったが、鹿島に1-3で敗れて3位に終わった。だからこそ、今季に懸ける思いはどこのチームよりも強い。
6位の広島はリーグ、天皇杯、ACLに加え、ルヴ3ァンカップも残っている。神戸よりも過密日程ではあるが唯一、国内3冠の可能性を残す。4年目のミヒャエル・スキッべ監督としても、結果が欲しいシーズンだろう。
では、優勝のカギを握るのは何か。
今季のJリーグは点が入らない。優勝を争っているチームの中で、1試合に2点以上取っているチームはいない。抜け出すためには勝ち点1ではダメで、勝ち点3が必要となる。それには勝つしかない。勝つためには点を取らないといけない。つまりは決定力だ。
京都にはラファエル・エリアス、鹿島にはレオ・セアラという、得点王を争っているストライカーがいる。柏は絶対的なストライカーはいないが、どこからでも崩せる。
3連覇を狙う神戸は、昨季のMVP武藤嘉紀が腰椎椎間孔狭窄の手術で長期離脱したのが痛かった。これからどこまでコンディションを戻せるか。一昨季の得点王&MVPの大迫勇也とともに万全ならば、点の取り方は知っている。
町田は8連勝の立役者である相馬勇紀が攻撃の中心。彼にどれだけいい形でボールを持たせることができるか。
そして広島。昨季は総得点72点とリーグ最多だったが、今季は少ない。ただ、開幕早々に故障で長期離脱していたトルガイ・アルスルランの復帰が近い。昨夏に加入して14試合で8得点を決めたストライカー。彼の復帰は大きい。
ただ、どのチームにも、抜け出すだけの絶対的な力はない。昨季、最終戦までもつれ込んだ優勝争いだが、今季ももつれそうだ。その注目の試合は京都VS神戸、柏VS町田と大一番になる可能性のあるカードがある。今季も最後まで、Jリーグから目が離せない。とアサ芸プラスは報じた。
編集者:いまトピ編集部