2025/9/23 20:35

【消防団員】過去最少に「1.9%減73万2223人」「1回の出動に平均8000円」

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全国で火災や線状降水帯、台風による水害が絶えない中、地域防災を担う消防団離れが加速。深刻な社会問題になりつつある。

消防団は江戸時代中期に8代将軍の徳川吉宗が南町奉行の大岡越前守忠相に命じ、町組織として火消組を結成したことから始まる。

1950年代前半には全国で200万人以上の消防団員がいたが、その後、減少の一途を辿っている。

総務省消防庁によると、全国の消防団員数は今年4月1日時点で前年比1.9%減の73万2223人で過去最少を更新。入団者数は3万7757人、退団者数は5万2215人だった。

「農業、漁業、建設業と同様、消防団員の高齢化も影響しています」(消防事情に詳しいフリーライター)

また、消防団員の報酬は1人当たり1回の出動に関し平均8000円程度。自治体によって異なるが、年間報酬は約3万6500円が支給される。

「以前は、市町村から消防団を経由して団員に報酬が渡されるのが一般的でした。しかし、消防団の親睦会などの費用として一方的に“中抜け”するという不正が表面化した。
消防庁は’22年4月から団員に直接支給するよう市町村に改善を求め、同年8月に通知を出したんですが、一部地域では不正が続いていた」(同)

消防庁の通知では「現金型」も「口座型」も是正の対象として示され、特に口座型は「犯罪収益移転防止法に抵触する恐れがある」と指摘されていた。

「神戸市にある分団では団員の口座に報酬が入ると、上部組織に当たる支団の口座に自動的に振り替えられる。入団時にサインし、このような手続きを金融機関に申し込むことを迫られるからです。
その後、支団が活動費を差し引き、残金を分団の口座に振り込む。それを分団も活動費に充てるから報酬は団員に還元されないんです」(全国紙記者)

これでは消防団員減に歯止めを掛けられそうにない。救いは女性入団者が3.1%増の2万9478人、学生6.3%増の7568人だったことくらいか。

災害は当然のこと、不正の火種も消すべきだ、と週刊実話WEBが報じている。

全国の消防団員数が過去最少に 地域防災を危機に陥れる不正の火種/サマリー|週刊実話WEB全国の消防団員数が過去最少に 地域防災を危機に陥れる不正の火種/サマリー|週刊実話WEB

編集者:いまトピ編集部