【異常事態】テレビでは放送できない「クマ被害」の深刻さ

登山家・野口健氏が27日、公式Xを更新。連日のように伝えられているクマ被害についてつづり、その深刻さと駆除の必要性について訴えた。
かなり衝撃的な内容ではあるが、今年は異常事態ともいうべき状況ということもあり、関心のある方は一読していただきたい。
野口氏は、「何かの記事で駆除された熊の胃袋から人の顔の一部と頭皮、髪の毛がでてきたのだと。そして、この時期のクマにしては驚くほどに脂肪がなかったと。ガリガリに痩せ細っているのだ」と切り出し、「これではとてもじゃないが熊は冬を越せないだろうとも。熊も冬を前に生き延びるために必死になって餌を求めている」とつづる。
ドングリやブナが定期的に不作になることや、森林破壊の影響にも触れ、長期的には針葉樹林から混合樹林への植え替えなど、野生動物が生きていける森づくりをしていく必要性に言及する。
さらに、「痩せ細った熊が餌を求めて人里に降りてくる。熊の立場になればそれはそうだろう。しかし、熊に襲われた人は命を落としたり、体に深刻なダメージを負う」と人的被害の大きさも指摘。
「長年に渡り何度も青森県のマタギの方々と白神山地に入り多くの話を聞きましたが、射殺したはずの熊に張り手を食らった人の顔が吹き飛んだのだと。息絶えるその最後の瞬間の張り手であったのだと」と、衝撃的な話を聞いたことを明かす。
射殺したクマの解剖をしたところ、「弾は心臓を突き破り心臓破裂していた状態。改めて熊の生命力の強さに驚かされたのだと」と、その脅威を明かした。
猟師に対する「残酷だ」といった声があることや、猟ができない場所もあるが、「しかし、増えすぎた熊が里に降ると駆除という事で毎年、多くの熊が殺されるのだとそのマタギの方は話しておられた」とも。
「今年の状況は異常事態。連日、熊による人的被害が報じられている。冬間近になれば熊の動きは更に活発化するだろう。また、冬眠しない熊が増えれば脅威は更に増す。里に降りてきた熊は再び里に降りる傾向が強いという話も聞きました」とし、「しかし、人と野生の熊が里で共存することは不可能だ。熊の命より人命を優先するのは当たり前のこと。里に降りてきた熊は駆除せざるを得ない」と訴える。
ただ、「駆除した熊の命をちゃんと頂くこと。肉も毛皮も有り難く頂く。冬眠明けの熊なら漢方となる臓器(胆のう)も価値あるものに。命を奪ったからにはその命を無駄にしてはならない。マタギの方々からその姿勢を学びました」とも記している。
野口氏の投稿に、山林の固定資産税の問題に言及するユーザーもおり、野口氏は「ギリシャ(イタリアかも)では数年間、固定資産税を廃止したとの報道も。固定資産税を払うのが無理で農地や山林を手放す人が多いという話は私も把握しております」と返信。
ほかのユーザーからは「猛暑によるドングリの凶作、太陽光パネル設置、キャンプブームによる食べ残し放置、マタギや山里の減少、猟をした人が血抜きした内臓を山に放置、全てが原因でしょうね」「森林税、なんに使われとんのや。全然森林守られてへんし」「過疎など様々な理由での放置林をちゃんと管理していくことも大切だと思います」といった意見も寄せられている。
なかなか答えの出ない難しい問題ではあるが、人命や財産の保護が急務であることは確かだ。脅威にさらされている地域では、各自クマ対策としてできることを検討し、小さなことから取り組んでいくべきだと思う。
山や郊外へ出かける際は、Amazonなどでも販売している熊よけスプレーが持ち運びがしやすく、キャンプや登山用の備えとして用意しておくことも重要だとSirabeeは報じている。
編集者:いまトピ編集部
