オリコン初週59.5万枚を記録、世代交代・選抜落ち「変化の渦中」
Amazon 10月15日に発売されたFRUITS ZIPPERの4枚目シングル『はちゃめちゃわちゃライフ!/JAM』が、Billboard Japan初週38.1万枚、オリコン初週31.7万枚を記録した。
対して現在の国内で女性アイドルグループの覇権を握る乃木坂46は、最新作『Same numbers』がBillboard初週77.6万枚、オリコン初週59.5万枚という巨大な数字を残している。
売上の絶対値では、乃木坂46が依然として強い。しかし、音楽市場の注目点は「絶対値」だけでは収まりきらず、この点において、今の“潮目”が透けて見えるだろう。
まず注目すべきはFRUITS ZIPPERという「小規模・高効率」型グループの動きだ。
7人編成という人数規模は、個々の顔がはっきりしやすく、ファンが推しにコストを投下しやすい。結果として1人あたりの売上貢献度が高まり、少数精鋭で熱量を濃縮する戦略が功を奏している。
一方の乃木坂46は選抜だけで16人ほどと大所帯。楽曲や演出の幅は広いが、個々への注目が分散しやすく、世代交代や選抜落ちがファンの不満を招きやすい構造でもある。
その象徴が、19日深夜に発表された乃木坂46の最新シングルの選抜発表を巡る物議だ。
11月26日に発売される40枚目シングル『ビリヤニ』は、6期生の瀬戸口心月と矢田萌華がWセンターに抜擢された。
一方で、4期生の田村真佑が選抜復帰を果たせず、5期生・五百城茉央がアンダーに回った。この人事は、一部ファンから「運営の判断が見えにくい」との反発を招いている。
世代交代をどのように見せるか、既存の“顔”をどのように扱うかが、ファン心理に細かな波紋を落とした。
また、カワラボ系に共通する「全員選抜」「ハッピーオーラ」といったビジュアル・ブランドは、初期の日向坂46を想起させる親和性を持つ。
軽やかで分かりやすいポジティブ性は、SNSで拡散されやすく、ライト層の興味を引く。結果として、ライブ・配信・短尺動画での拡散力が強まり、新規ファンの入口を広げてきた。
こうした“濃度の高い動員”は、たとえ絶対数で大差がついていても注目の風向きを変えうるだろう。
では坂道グループは衰退するのか。現時点で言えるのは、坂道は「衰退」ではなく「変化の渦中」にあるということだ。
絶対数での優位を保つ乃木坂46や坂道グループが抱える問題は、低下する勢いではなく「維持コスト」の高さ。世代交代の舵取りを誤れば、短期的な話題性やファンの熱を失うリスクがある。
逆に、FRUITS ZIPPERらカワラボ界隈は、小回りの利く運営と明確なブランドで短期間に注目を集めることができる。
今後、坂道グループ側が取るべき戦略は明瞭。単に選抜人数や握手会に頼る旧モデルを温存するのではなく、メンバー1人ひとりの魅力を掘り下げるコンテンツ、配信やライブでの体験価値向上、そしてソーシャルメディア時代に合わせた拡散の仕掛けを強化すること。
つまり「規模(数)」と「濃度(熱量)」の両取りを目指すアップデートが急務である。逆に言えば、それができなければ“注目の分配”は徐々に変わっていくだろう。
アイドル市場は常に新鮮さを求める。カワラボの快走は、坂道グループにとって警鐘であり、同時に学ぶべきモデルを示している。
王者が強さを保つか、新興が勢力図を書き換えるかは、秋以降のリリースと選抜人事、各グループの戦略が、局面を決めることになりそうだ。と週刊実話WEBは報じた。
編集者:いまトピ編集部

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