興収42.2億円の大ヒット『金ロー』本編ノーカット放映

細田守監督の最新劇場アニメ『果てしなきスカーレット』が11月21日(金)から公開されるということで、11月の『金ロー』は「細田守強化月間」となっています。11月7日(金)の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)は、興収42.2億円の大ヒットとなった『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)がオンエアされます。放送時間を30分延長しての本編ノーカット放映です。
ポスト宮崎駿と称されてきた細田監督ですが、今年で58歳になります。還暦カウントダウンですね。とはいえ、宮崎駿監督が『もののけ姫』(1997年)を撮ったのが56歳のときなので、アニメーション監督として細田監督も円熟期にあるのではないでしょうか。
そんな細田監督にとって、作家性とエンタメ性とのバランスがうまく保たれたのが『おおかみこども』です。細田作品のベストに推す声の多い『おおかみこども』の見どころを紹介します。
たびたび『金ロー』で放映される細田監督の人気作『サマーウォーズ』(2009年)は夏休みの数日間を濃厚に描いた物語でしたが、『おおかみこども』は主人公親子の13年間を描いたちょっとした大河ドラマとなっています。
前作『サマーウォーズ』(2009年)が興収16.5億円のスマッシュヒット作となったことから、細田監督は「マッドハウス」の齋藤優一郎プロデューサーと再び組み、新会社「スタジオ地図」を立ち上げます。『おおかみこども』を製作することを目的としたスタジオでした。
宮崎駿監督と高畑勲監督に新作アニメを撮らせるために、「スタジオジブリ」ができたのと同じような経緯です。「スタジオジブリ」は徳間書店がサポートする形で始まったわけですが、「スタジオ地図」は日本テレビが支援しています。言ってみれば、日テレ版ジブリが「スタジオ地図」なのでしょう。
細田監督にはこれからも大ヒットを生み出して欲しいという日テレの強い気持ちが、『金ロー』での4週連続にわたる細田監督作品の編成から伝わってきます。
興行的に成功し、作品の評価も高かった『おおかみこども』ですが、細田監督は『バケモノの子』(2015年)で興収58.5億円、『竜とそばかすの姫』(2021年)で66億円と、ますます大ヒット作を放つようになっていきます。
でもねぇ、細田監督が本当に撮りたかったものって、『おおかみこども』までに描き切ったように感じてしまうんですよねぇ。脚本家の奥寺佐渡子さんとのタッグも『おおかみこども』で解消したこともあって、以降の作品は登場人物の造形が記号化してしまっているように思えてしまうんですよ。
無理にオリジナル作品にこだわらなくても、筒井康隆原作のSF小説とか、細田監督に撮ってほしい作品はいろいろあるんじゃないでしょうか。『旅のラゴス』とか『残像に口紅を』あたりのアニメ化も、マジで考えてほしいところですとサイゾーオンラインは報じている。
編集者:いまトピ編集部
