子供向け『番組』途中降板

「イベントや関連グッズ、映画化などで得られる収入が番組制作費に見合わない」
そんな理由で放送を終了することになったという「スーパー戦隊シリーズ」。現在の「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」(テレビ朝日系)が最後となるが、さらなる衝撃に襲われている。
「ゴジュウジャー」で一河角乃/ゴジュウユニコーンを演じていた今森茉耶が11月8日、未成年飲酒により所属事務所との契約を解除され、番組を降板すると発表されたのだ。
今森は9月に同戦隊のレッド・ゴジュウウルフ役のスーツアクター(着ぐるみを着て演技を行う俳優)の浅井宏輔との不倫を報じられたが、浅井は否定。しかし報道直前、浅井は持病の悪化を理由に番組を降板し、後任が引き継いだ。
双方が不倫を認めなかったため、ギリギリで「セーフ」だったが、今回は法令違反で今森の事務所が契約解除。子供向けの番組ということもあって、19歳の今森は完全に「アウト」だった。「スーパー戦隊」出演者の途中降板は異例の事態であり、
「それなりの賠償金が発生するのではないですか」(テレビ朝日関係者)
現在、テレビ朝日の日曜午前は8時半から「キミとアイドルプリキュア」、午前9時から「仮面ライダーゼッツ」、午前9時半から「ゴジュウジャー」を放送中。「プリキュア」と「仮面ライダー」は「スーパー戦隊」と並ぶ同局の3大看板シリーズで、ほぼ毎年、それぞれ劇場版が公開されている。
「映画キミとアイドルプリキュア♪ お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!」が9月に公開されたが、興行収入12億円に迫るヒット作に。一方、夏休みシーズンの7月末に上映の「映画 仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者」と「映画 ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード」(同時上映)の興行収入は、2作合わせて6.5億円ほど。もはやヒットの基準と言われる10億円には届かなくなったが、「仮面ライダー」における玩具やグッズの収入は「プリキュア」と「スーパー戦隊」をはるかに上回っている。
テレ朝が抱える3大看板シリーズの商品の販売は「バンダイナムコホールディングス」(東京都港区)が請け負っている。同社は作品別の売り上げ概況を公表しているが、今年3月までの通期実績によると、関連商品の売り上げは3作品の中で「仮面ライダー」がダントツの307億円。続いて「プリキュア」が79億円。「スーパー戦隊」は64億円で「仮面ライダー」の約5分の1にとどまっている。「得られる収入が番組制作費に見合わない」という終了の理由には納得させられてしまうのだ。
「スーパー戦隊」が衰退してしまった理由を、芸能ジャーナリストの平田昇二氏はこう分析する。
「『太陽戦隊サンバルカン』(1981年)のように3人編成のケースはありますが、基本的には5人編成。加えて巨大ロボットの要素を取り入れていることから、他の特撮シリーズ作品と比べて、コスト面の負担は大きいと言われていました。『仮面ライダー』と比べて『スーパー戦隊』は対象年齢が幼児から小学校低学年までに限られるため、もともと大人のコレクター市場が狭いという、IP(知的財産)としての脆弱さがありました。
また『スーパー戦隊』をモデルにした『パワーレンジャー』はアメリカでも人気が高いものの、グッズに関しては『ウルトラマン』『仮面ライダー』の両シリーズと比較すると劣っていると言わざるをえない。もはや収入面では伸びシロがありません」
テレビ朝日はどのタイミングで「スーパー戦隊」終了を正式発表するのかとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部
