【離婚】夫婦の4組に1組が離婚「妻たちの苦しみ」とは

2023年、24年と離婚率が上昇しているという。人口1000人当たりの離婚件数は24年で1.55、夫婦の4組に1組が離婚すると報じるメディアもある。離婚がありふれたものになり、婚姻スタイルも別居婚やオープンマリッジといった言葉が誕生している。
さまざまな結婚生活があふれている令和の現代において、「妻」という女性は何に悩み、苦しんでいるのか? 専業主婦から既婚者マッチングアプリ「Healmate(ヒールメイト)」を立ち上げたレゾンデートル株式会社代表・磯野妙子さんに、現代女性の夫婦関係の悩みや結婚生活の困難さを聞いた。 ――当時は2人の子育てをする専業主婦だったにもかかわらず「自分で会社を立ち上げてアプリを作ろう」と動いたそうですが、何がその原動力になったのですか?
磯野妙子氏(以下、磯野) 当時は少しパートをしながら専業主婦として生活していたのですが、夫婦関係のほうがなかなかうまくいっていませんでした。「このまま一生を終えるのは耐えられない」との思いが募っていき、離婚したいと伝えていたのですが、「子どもが成人するまでしない」と言われていました。
それで、離婚を見据えて、第2の人生のパートナーと出会う機会が欲しいと思い、既婚者マッチングアプリに登録したのですが、真剣なお付き合いを求める男性と出会うのは難しいことがわかり、「それなら、自分で理想のアプリを作ろう」と思った次第です。
――そこから実際に起業するとは驚きます。
磯野 当時はパソコンのスキルもろくにない状態でしたが、本当に思いの強さとやる気だけで実行しました。父や兄弟が実業家で、いろいろ起業したり、欲しいサービスを自分で作ったりしていくのを目の当たりにしていたので、起業にはそれほど抵抗がなかったのだと思います。
ただ、一番の原動力は「何にも縛られないで、自分の足で人生を歩く自由を得たい」という願いだったと思います。
――専業主婦の前は、どのような仕事をされていのですか?
磯野 31歳で結婚するまでの約10年、看護師として手術室で働いていました。すごく仕事は楽しかったですし、生きがいも感じ、「これは天職だ」みたいに思っていたところもありました。
ただ、「自分がミスしたら患者さんの身に危険が及ぶ」という寿命が縮まる思いをたくさんするわけです。全力で向き合えない限りは働けない現場でした。経済的な自由のためだけなら、子育て後、復職すればかなったかもしれませんが、若いときのように動けるかという不安がありました。
実は、大正生まれの父に小さい頃から、「女性は家族を守ってくれる頼りがいのある人と結婚し、家庭生活をうまく切り盛りすることが、一番の幸せだ」とずっと言われてきました。働き出してからも、「なんで仕事なんかしてるのか」と言われ続けてきた。その考えが私の中にも多少残っていて、第二の人生を考えたときにも、女ひとりだけで生きていく道は思い浮かびませんでした。
――夫との離婚が進まない中、どのような思いがありましたか?
磯野 離婚を口にしても、このまま1人で生きていくのは難しいとわかっていましたし、女性としてこのまま終わるのは、すごくつらかった部分もあります。子どもが育ったら、あとは自分ひとりの人生となりますし、そこにパートナーがいたらいいなという思いがありました。
ただ、マッチングアプリで出会う男性の多くは、束の間の“刹那的な関係”を求めていました。少しやりとりしただけで、そうした話になっていく。
ここでは真剣に相手と向き合おうとする女性ほど、「こんなはずじゃない」と幻滅したり、傷ついていくんだろうと感じました。家庭でもきっと何かしらつらい抱えていたり、我慢しているのに、癒やしを求めて利用したアプリで、また傷つけられる。 「それはおかしい」と、本当に真剣に心の通う出会いを求めてる人たちのための“場”を作りたいと考えました。
――実際、磯野さんご自身は、結婚生活を送る中でどんな悩みに苦しんでいたのでしょうか?
磯野 私は独身時代、結婚したくて仕方なかったんです。結婚している人がすごく羨ましかったし、子どもがいる人はもっと羨ましかった。しかしいざ自分が結婚してみると、なかなかうまくいかないものでした。
もちろん、最初は普通にうまくいっていました。子どもが2人生まれて、小学生になるまでは。小学校受験をしたんですけども、そこでやりすぎたんですよね。
今まで全力を捧げてきた仕事を辞めたことで、それが子育てに代わったんです。仕事は天職だと思っていましたが、私の代わりはいくらでもいます。ただ、子育てって自分しかいない。「私しかできないことをしてるんだ」っていう自負もあって、「この子たちの幸せのために」と盲目的にやっていた。
多分、夫は「そこまでやらなくていいでしょう」と感じていたんでしょう。受験に向かって進み始めてからは、かなりギスギスした感じになっていきました。
――夫との関係が一番の苦悩だったんですね。
磯野 夫は一回り上なので、年下の女に意見されるのが嫌だった面もあるかもしれません。私にマウントを取ってくるようになり、それがだんだんモラハラめいてきて、次第にお互いがぶつかり合うような関係になりました。
また、夫の性格もあって、話し合って何かを解決していける夫婦関係ではなかったのも大きいですね。子育てに関しても、夫婦関係にしても、これからの将来にしても、1対1で話す機会が少ないので、問題がどんどん山積していく一方でした。
私としては夫婦カウンセリングを受けて、関係を再構築したかったんですが、行ってもらえなかった。私の中で、“再構築のきっかけ”と考えていたカウンセリングに行ってもらえなかったことで、心のシャッターが閉じてしまいましたね。それから気持ちは離婚へと向かいました。
ちょうどそのころ、詳しくは言いませんが、不信感を抱かせるような行動が夫に見られるようになったため、「自由にやってください。お互いに干渉するのはやめましょう」ということを私から明言したという形です。
――それで既婚者マッチングアプリを利用することになったのですね。磯野さんの手掛けるアプリ「ヒールメイト」の女性ユーザーはどんな方が中心ですか?
磯野 男女比でいうと女性が4割です。世代比率では40代が半分弱程度です。続いて30代が30%で、50代が続きますね。最近は20代の方も増えてきました。
――結婚生活に悩める方が利用されているとも言えると思うのですが、どんな苦悩が多いと感じていますか?
磯野 いろいろですね。アプリを作って初めてわかったことなんですが、パートナーとは仲が良くて悩みを持っていない方も利用されています。なかなか衝撃的な事実でした。
もちろん夫婦関係に悩みがある方はとても多く、例えば先ほどお話したように、夫からモラハラを受けているとか、DVされているという方も多くいらっしゃいますし、夫からずっと家政婦扱いをされてきて、「誰かに大切にされたい」「癒やされたい」と思われて登録された方も多いです。
あとは、夫から関係を拒否されてセックスレスになり、女性として扱ってもらえないまま人生を終えたくないという方もいます。また、夫が単なる家族になってしまって、男の人として見られないと悩む女性もいますね。
――一方、男性はどのような背景を持った方がいるのでしょうか?
磯野 一番多いのは、おそらくレスの方だと思います。そのような意見がヒールメイトのサイト内にある掲示板では目立ちます。うちの掲示板はとても活発で、毎日何千ものコメントが投稿されるので、男性の本音もわかりやすいです。
あとは、夫婦仲が良くない方ですね。自分としては奥さんに歩み寄っていると思うのに、奥さんが冷たい、自分を認めてくれない、といった声を聞きます。もちろん、第二の人生を歩みたいという真剣な方もいらっしゃいます。
Healmate(ヒールメイト)は、既婚者専用のマッチングアプリ。男女の真面目な出会いやセカンドパートナー探し、異性・同性の友達づくり、仲間づくりなど、さまざまな用途で利用できます。掲示板やグループチャット、イベント(オフ会)などの機能もあり、既婚者コミュニティとしても活用されています。
女性は完全無料、男性は登録無料でマッチング女性とのメッセージ以上は有料です。登録は簡単。一度サイトをのぞいてみてください、とサイゾーウーマンが報じた。
編集者:いまトピ編集部
