【MLB】ドジャース5−2パドレス(4月13日・日本時間14日/ロサンゼルス)

 現代に残る魔球「ナックル」。扱いの難しさから、今やメジャーでも使い手が1人しかいないと言われている。ドジャース大谷翔平投手が「2番・DH」でスタメン出場した試合で、パドレスの先発ウォルドロンが、このナックルを多投。解説者からは「1回転ぐらいが一番曲がる」という球種が、しっかりとスロー映像に収められた。

【映像】ここからどっちに曲がる?魔球・ナックルの軌道

 映像を見れば一目瞭然、ほとんど回転していない。サッカーなどで「無回転シュート」と呼ばれるように、回転をしないことでボールが空気抵抗によって不規則に変化することが、このナックル最大の魅力だ。ただし変化が空気抵抗次第ということは、天候に大きく左右される。また投げた本人も明確にはどちらに曲げるかコントロールできないこともあり、捕手もキャッチに一苦労。まさに「行き先はボールに聞いてくれ」という暴れん坊だ。

 ウォルドロンは、このナックルを武器に昨季メジャー昇格を果たしたばかり。ベッツ、大谷、フリーマンと続く超強力のドジャース打線とはこの試合が初対決だったが、これで打たれたら仕方がないとばかりに、序盤からナックルを連発。1番ベッツをナックルで空振り三振に仕留めると、大谷に四球を出した後、フリーマンもナックルで空振り三振。あまりの変化に捕手が撮り損ねるほどだった。

 フリーマンが豪快に空振りした瞬間が中継でもスロー映像で紹介されたが、指で弾かれたボールはほとんど回転せず、かつ捕手のミットを避けるように変化。一説には、1分間で64回転、つまり1秒につき約1回転しかないと言われており、少なくとも1分間に2000回転以上するストレートとの差は歴然だ。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)