和歌山県田辺市長野にある、熊野古道沿いの休憩施設「ひるね茶屋」で、周辺に植えられているソメイヨシノとハナモモが満開になった。遠くに田辺湾を望む景勝地(標高約350メートル)にあり、訪れた人たちは「天空の花園のようだ」と花を愛でている。
 茶屋を営み、昨年2月に亡くなった宇杉一治さん(享年89)が住民有志らと共にソメイヨシノとハナモモをそれぞれ数百本ずつ植えた。毎年この時季になると、淡いピンク色をしたソメイヨシノの花と、かわいらしいピンク色や白色、鮮やかな赤色をしたハナモモの花が共演する名所として親しまれている。
 茶屋を受け継いだ長男の哲治さん(63)によると、今年は例年より満開になるのが1週間ほど遅かった。「昨日の強い雨が心配だったが、なんとか持ってくれた。この土日曜までは楽しめそう」と話している。