ABEMAがインタビュー実施、10日に初解説

 大谷翔平投手らがプレーする米大リーグの試合を中継しているABEMAでは、今月10日に初解説を務めた元MLB投手の長谷川滋利氏にインタビューを実施。12日(日本時間13日)のパドレス戦で先発予定となっているドジャース・山本由伸投手の武器であるカーブについて「希少で打てないんです。流行の逆をいくとバッターも対応できないんですよね」などと分析した。山本登板予定のドジャース―パドレス戦はABEMAで無料生中継される予定。

 山本は韓国で行われた3月21日のデビュー戦こそ1回5失点とパドレス打線に打ち込まれたが、その後2登板はいずれも5回無失点と好投。日本時代の姿を取り戻し、特に縦に大きく変化するカーブは“ヨーヨーカーブ”と米国で呼ばれるほどのインパクトを残している。

 昨季はメッツ千賀滉大の“お化けフォーク”が話題になるなど、日本人投手の変化球がメジャーで注目を浴びている。長谷川氏は「確かにすごく今注目されてるんですよ。ある球団なんかは日本人のフォークがいいから、そのためだけに日本人のコーチを招聘しようとしていて」とコメントした。

 一方で、フォークもカーブもこれまでMLBで流行した歴史があると指摘。「大きな落差のフォークも弧を描くカーブも元々はアメリカから来たものです。ノーラン・ライアンが投げていた当時はカーブが全盛で、当時は大きく変化する球種が主流でした。それからカットボールやツーシームなど小さな変化をする球種が出てきてバッターが対応できないから、みんなが投げるようになった」と説明した。

 長谷川氏は続けて「でもそうすると打者もそれに適応しおうと対策を立てる、これの繰り返しなんですね。よって今は縦の大きな変化球を投げる人が少ない、だから山本投手のカーブが希少で打てないんです。流行の逆をいくとバッターも対応できないんですよね」と山本のカーブが威力を発揮し、注目される理由を分析した。

長谷川滋利氏【(C)ゲームプラン】

山本には「問題ない」と太鼓判も…「我が子のように心配です(笑)」

 山本は12日(同13日)のパドレス戦に今季4度目の先発。パドレスにはダルビッシュ有、松井裕樹の日本人投手が在籍している。長谷川氏は「どうしても日本人同士の対決に注目がいってしまうけど、チーム同士の対決にも注目ですね。同地区のライバル同士、これから何度も対戦していくわけですから、前半戦を占う意味でも面白いですね」と見どころを挙げた。

「ここで苦手意識を持ってしまうと今後どんどん差が開いてしまうのでパドレスは本気でぶつかってくると思う。ドジャースはそんなに意識してないと思うけど、仮にここで3連敗してしまうとそのイメージが残ってしまう。意外にシーズンの試合の一部と思ってしまうんだけどそうでもないですね。あるんですよこれ、僕らの時はエンゼルスはヤンキースに強いけどレッドソックスは苦手とか。そういうイメージがつかないようにした方がいいですね」

 山本は1回5失点だった初登板以来のパドレス戦。長谷川氏は「山本投手は韓国では打たれたけど『場所が違う』と、こっちがメジャーの舞台だと思って切り替えられる。なんでもポジティブに考えますから(笑)。問題ないと思います」と太鼓判を押す。最近2試合は計10イニング失点ゼロと好投。「日本にいる時のようなピッチングになってますから、本人も安心してるんじゃないかと思います。ただ日本時代からずっと見てきたので我が子のように心配です(笑)」と親心も見せた。

(THE ANSWER編集部)