女子世界戦でアナウンサーが間違い

 ボクシングのWBA女子世界バンタム級タイトルマッチが12日、オーストラリア・パースで行われたが、前代未聞のアナウンス間違いが起きた。判定結果の発表時、勝者と敗者が逆にコールされる珍事。一度はぬか喜びした敗者は「わけがわからない。馬鹿げている。酷く強奪された気分だわ」と怒りを露わにしている。

 歓喜の直後に地獄が待っていた。試合を終えた王者ニーナ・ヒューズ(英国)と挑戦者チェルネカ・ジョンソン(豪州)。一度は勝利がコールされたヒューズは飛び跳ねて喜んだ。ジョンソンも拍手。しかし、直後に2人は再び呼び出されてやり直しに。今度は新王者誕生がコールされた。勝者は涙を流し、天国から地獄に突き落とされたヒューズは信じられないといった表情だった。

 米興行大手・トップランク社公式Xは一連の動画を公開。米スポーツ専門局「FOXスポーツ」は「『馬鹿げている』王者が勝利し…その後にスコアカードのカオスで敗戦する茶番劇」と題する記事を掲載した。ヒューズは「ただただ理解できない。勝者をアナウンスした後にどうしてスコアを変えられるのか、わけがわからない」と困惑。「馬鹿げてる。酷く強奪された気分だわ」と怒りを見せた。

「序盤は圧倒していたと思う。後半はラウンドをいくつか取られたけど、楽に勝ったと感じていた」と試合内容にも自信。しかし、採点は92-98、94-96、95-95の0-2で判定負けし「再戦があるべき。私は負けていない」と納得いっていないようだった。

 メインイベントのIBF世界ライト級王座決定戦12回戦では、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)がジョージ・カンボソスJr.(豪州)に11回TKO勝ち。元世界同級3団体統一王者同士の一戦を制した。

(THE ANSWER編集部)