乗っていたヘリコプターの墜落で死亡したイランのライシ大統領の追悼集会が20日、国内各地で開かれた。首都テヘランでは数千人が広場に集まり、涙を流しながら胸をたたくなどして悲しみを表した。

 テヘラン中心部のバリアスル広場には、ライシ師の顔が描かれたポスターやイラン国旗を手にした男女が集まった。ステージ上の合唱隊が哀調を帯びた歌を歌い、人々は音楽に合わせて胸をたたいた。

 イランが国教とするイスラム教シーア派のイマーム(指導者)で、7世紀に殉教したフセインの名を人々が連呼する場面もあった。

 会場を訪れたイラン中部コム在住の大学生、ホセインさん(21)は「ライシ師ほどイランのために懸命に働いた大統領はいない。次の大統領も、勤勉な人が選ばれてほしい」と話した。

 イラン国営通信によると、ライシ師の後任を決める大統領選は6月28日に予定されている。

 国営プレスTVによると、追悼集会はこのほか、墜落が起きた北西部の東アゼルバイジャン州や、南東部ケルマン州など全国で開かれたという。(テヘラン=佐藤達弥)