【青森】航空自衛隊三沢基地の新しい第3航空団司令兼三沢基地司令に就いた藤田輝章空将補(53)が17日、着任の記者会見を開いた。着任は3月28日付。

 藤田氏は「約20年ぶりに三沢基地で勤務できることを光栄に思う。三沢基地は、我が国の北の防空の要であり、F―35A戦闘機やE-2D早期警戒機、RQ-4無人偵察機グローバルホークなど新たな戦力の基盤として訓練に励んでいる。全国でも数少ない日米共同使用の基地で、現場レベルでの日米の相互理解や相互運用の向上に重要な役割を担っている。国民の皆様の負託に応えるべく、隊員一丸となり任務に邁進(まいしん)する所存だ」とあいさつした。

 藤田氏は北海道清里町出身。高校時代に見た米映画「トップガン」に影響を受け、「戦闘機乗りになろう」と防衛大へ。1993年3月の卒業後、幹部候補生学校を経て、96年からはF-15戦闘機のパイロットとして小松基地(石川県)に着任。2004年の北部航空方面隊司令部防衛部(三沢)、航空幕僚監部(東京・市谷)、第7航空団(茨城県・百里基地)、09年の第2航空団第203飛行隊長(北海道・千歳基地)などを経て、22年3月から南西航空方面隊司令部幕僚長(那覇基地)を務めていた。航空幕僚監部運用支援・情報部に3度勤務しており、11年の東日本大震災や16年の熊本地震、17年の九州北部豪雨では災害派遣の立案や調整にも携わった。

 藤田氏は昨今の我が国を取り巻く情勢について、前任地での実例も挙げ、「中国が以前はなかったロシアとの共同飛行や、沖縄本島と宮古島の間に無人機を飛ばす、空母で太平洋まで進出するなど、常に何か新しいことをやってきており、我々もこれに対応すべく、緊張感を強いられている」と強調。三沢基地としては「周辺国の動きに注目しつつ、対領空侵犯措置を始めとした諸任務に厳正に対応し、北の空の抑止力を堅持していかなければならない」と述べた。18年ぶりの三沢勤務については「地域の祭りや温泉、名物のホッキ貝を楽しみたい」と話した。趣味はゴルフで、特技はスキーにスピードスケート。特にスケートは、父親がコーチをしており、長野五輪銅メダリストの岡崎朋美さんと中学までは一緒に練習していたそうだ。「今でもちょっと練習すれば乗れます」(鵜沼照都)