無人航空機への対応、増えています。

中国は減少、ロシアは増加

 防衛省・統合幕僚監部は2024年4月19日、2023(令和5)年度の緊急発進実施状況を発表しました。
 
 これは、領空侵犯の恐れがある外国機に対して航空自衛隊の戦闘機が緊急発進、いわゆるスクランブルを何回行ったか、まとめたものです。

 それによると、昨年度の緊急発進回数は669回で前年度と比べて109回減ったとのこと。そのうち、中国機に対するものが479回(前年度比96回減)と、対象国別で最も多くなっています。

 その次がロシアの174回ですが、こちらは前年よりも24回増えています。

 一方、エリア別に見ると、沖縄県の那覇基地に司令部を置く南西航空方面隊が401回と最も多く、2番目に多い青森県の三沢基地に司令部のある北部航空方面隊(112回)の4倍近い数を記録しています。
 
 こうして見てみると、依然として南西諸島方面の中国機に対するスクランブル対応がかなりを占めていることがわかりますが、2016(平成28)年度の1168回、2021(令和3)年度の1004回と比べると6割程度に減少しています。
 
 とはいえ、2013(平成25)年度以降、ここ10年間の実績からすると平均的な水準にあると統合幕僚監部は述べています。

 なお、2023年10月31日にはロシア軍所属と見られるヘリコプター1機が北海道根室半島沖を領空侵犯しているほか、中国の無人機に対する緊急発進回数が多くなりつつあり、統合幕僚監部では、中国機による活動の拡大・活発化を示す事例がみられるとしています。