鹿児島のまちづくりについて、経験豊富な専門家に意見を聴きながら議論を深めるシンポジウム形式の動画番組「みんなで考える地域づくり」の配信が23日、スタートした。初回のテーマは、鹿児島港本港区の開発を課題に抱える鹿児島市。戦後の都市計画の歴史をひもときながら、魅力的な都市のあり方を探った。

 番組はKKB鹿児島放送(鹿児島市)が企画。横浜市の「みなとみらい21」を中心とした都市の設計を長年牽引(けんいん)した都市デザイナーの国吉直行さん(78)と、一昨年までイタリアで活動した建築家の政所顕吾さん(38)という鹿児島出身の専門家2人をゲストに招いた。

 本港区では、県が新しい体育館の計画を進める一方、市民からは再考を求める声も根強い。国吉さんは横浜市での経験から、歩いて楽しめるまちづくりのポイントを指摘。政所さんは、姉妹都市ナポリの例を挙げ、地域の歴史や文化を生かした街並みの重要性を提言した。

 番組はKKBホームページからダウンロードできるアプリ「KAPLI(カプリ)」で配信するほか、ユーチューブの公式チャンネルでも視聴できる。今後、県内の他地域も取り上げる。(加治隼人)