静岡県牧之原市にゆかりがある江戸幕府老中の田沼意次が主要人物として登場するNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)〜」が来年放映されるのにあわせ、官民でつくる団体が中心となり、意次の顕彰などを通じた地域活性化の事業が行われることになった。

 今月15日に「市大河ドラマ『べらぼう』活用推進協議会」(21人)の初会合が開かれ、市や市内の経済団体の代表らが事業を通じて交流人口の拡大に取り組む方針を確認した。

 計画では、意次を題材にした商品開発の支援や田沼家に関係する市内の名所などを巡るためのアプリ開発、大河ドラマ出演者を招いたイベントの開催などを実施する。

 市内の2022年度の観光交流客数は約60万人だが、ドラマの放映効果で25年度には50%増の約90万人を目指す。

 杉本基久雄市長はあいさつの中で「牧之原市を全国に発信する千載一遇のチャンス。来年まではあと8カ月しか期間はないが、各事業をしっかり立ち上げて、交流人口を増やしていきたい」と意気込みを述べた。

 田沼意次(1719〜88)は幕府の老中として知られているが、相良藩(現牧之原市の大部分)の藩主でもあった。「ワイロ政治家」の異名をあわせ持つが、近年では幕府の財政再建に尽力した名臣として再評価する動きもある。(林国広)