長生郡市の消防本部で、廃棄される消火用ホースをリサイクルし、小銭入れを作っている隊員がいる。長生分署の消防司令補、新井尚子さん(40)らだ。非売品で特別なイベントでしか住民には配っていないが、手作り感あふれる“レアもの”は消防業界で評判。消防の広報紙で紹介され、県内外の消防本部から作り方の問い合わせがあるなどひそかな人気を集めている。

  新井さんらが小銭入れを作り始めたのは4年ほど前。勤務する長生郡市広域市町村圏組合消防本部では、消火用ホースを毎年約100本新品に取り換え、古いものは廃棄していた。

 「もったいない」と考えた新井さんは、廃棄ホースで何か作れないか後輩たちと思案。最初は業務用無線機のケースにしようとしたが、サイズが合わず、小銭入れに行き着いた。

 消火現場で活躍したホースだけに、燃えにくく丈夫で、すすが付いているものも。”手作り感”に加え、”使い古した感”でも人気を集めているようだ。