◇第59回フローラS(G2・21日・東京・芝2000メートル)

 オークストライアルでラヴァンダが巻き返しをかける。前走のチューリップ賞は直線でスムーズさを欠いて7着。桜花賞への道は閉ざされたが、ほぼ1勝馬同士で実力伯仲の今回の組み合わせなら実績上位。距離延長を克服し、樫の女王決定戦へ駒を進める。

   ◇    ◇

 今度こそG1切符をつかみ取る。チューリップ賞7着のラヴァンダが巻き返しに燃えている。前走は直線で何度も進路がなくなるロスが響いたが、ラストの末脚は見どころ十分。広い府中で能力を全開させ、オークスへの出走権を逃すつもりはない。

 デビュー前から栗東坂路で4F51秒台をマークするなど、陣営も早くから能力を見抜き、その評価通りに2戦目で勝ち上がった。ただ、その後は牝馬の王道路線を歩むはずが自己条件で連続3着。桜花賞トライアルの前走チューリップ賞でも実力を出し切れず、中村師も「もっとやれていい、もっと頑張れていい馬」ともどかしさと悔しさをにじませる。

 それでもこの中間は目標を早く切り替えたことで軽やかな動きを連発。特に11日の1週前追い切りでは岩田望を背に栗東CWでラスト1F11秒0を馬なりでマークするなど抜群の動きを披露して「問題なくこれていますね」と順調ぶりに納得の表情だ。

 焦点となるのは、2ハロン距離延長される初の2000メートルだが「チューリップ賞は、最後まで伸びていましたし、折り合いも問題ないですからね。これまでのレースを見ても、勝負どころでモタモタするところがあるので距離は延びて良いと思っています」と不安よりも期待が上回っている。

 登録15頭のうち2勝馬はわずか3頭、重賞経験馬も6頭という今回のメンバーならキャリア5戦で重賞の流れも経験済みというのは大きな強み。「不利なく自分の力を出してくれたら」と中村師。経験豊富なシルヴァーステート産駒が新緑の府中で再出発する。