【与田剛の目】◇16日 中日3―2ヤクルト(バンテリンドームナゴヤ)

 ヤクルトは2点リードの8回に昨年までセットアッパーとして活躍した清水の炎上もあって3失点。開幕カードで2勝1分けと勝ち越した中日に黒星を喫した。中日前監督で本紙評論家の与田剛さんはヤクルトの継投に注目。「難しいところだが、交代が一手遅れた」と振り返った。

 ヤクルトは8回に4番手として清水を送り込むと、先頭の代打・大島に右翼線二塁打、直後の三好は遊ゴロながらも三進を許し、田中に中前適時打。その後、上林に右翼線二塁打を浴びて1死二、三塁のピンチとなったところで5番手の木沢にスイッチした。その木沢は4番・中田こそ一邪飛に抑えたが、続く細川の打席で暴投して同点、その直後に中前適時打を許して勝ち越された。

 与田さんは「高津監督は迷ったと思うし、清水に立ち直ってほしいと思っていたのだと思うが、きょうの清水は初球からボールの切れ、スピードがなく、コントロールも悪かった。田中の適時打の段階なら1点リードで1死一塁。次の投手のことを考えれば、ここで代えるべきだった。それほど、清水の状態は悪かった」と説明した。

 今年のヤクルトは抑えの田口の離脱もあって、終盤での逆転負けが相次いでいる。そんな状況での痛い逆転負けとなったが、与田さんは「継投の遅れもミスと言えるが、それにつけ込んで勝ちきった今年の中日は強い」と首位を走る古巣をたたえた。