◇5日 ウエスタン・リーグ 中日1―4ソフトバンク(ナゴヤ)

 中日の上林誠知外野手(28)が5日、ウエスタン・リーグのソフトバンク戦(ナゴヤ)に「3番・中堅」でスタメン出場した。昨季まで所属した古巣から2軍降格後初となる安打を放ち、再昇格へののろしを上げた。試合は中日が1―4で敗れた。

 4回の第2打席。上林が外角高めの変化球を振り抜くと、強烈な打球は相手投手の足元への強襲安打となった。チーム唯一の得点の起点となる一打に、上林は「センター方向に打球が飛んでいるのはいいこと」と納得の表情を浮かべた。

 4月27日に移籍後初アーチを放ちながら、同29日から3戦連続で快音を残せず2軍へ。「調子を上げきれなかった」と悔しさをにじませる。とはいえ、落ち込んではいられない。「まだ開幕して1カ月。このままじゃ終われない」と気持ちを切り替えた。

 1軍再昇格を勝ち取るためにテーマを持って練習に取り組む。打撃フォームでは踏み出す右脚が突っ張らないように「体の右側に壁をつくるイメージ」と上林。スタンスを大きく取ったティー打撃をこなし、下半身を使ってボールを捉える意識を体に染み付かせる。

 井上2軍監督は「誰でもプロでセンターを守れるわけじゃないからね」とあらためて走攻守での能力の高さを強調し、「『遊び』の部分も持って取り組んでほしい」と”心の脱力”を勧める。

 古巣・ソフトバンクとの一戦。スタメン発表で「3番・センター・上林」がコールされると、スタンドに詰めかけたタカ党から大きな拍手が起こった。「ホークスファンからの声援はありがたいですね。でも、もっと名古屋の方から声援がもらえるように頑張ります」。竜の背番号51を1軍の舞台で輝かせてみせる。