◇12日 仙台ハーフマラソン(仙台市の弘進ゴムアスリートパーク仙台発着)

 女子はマラソンの日本記録保持者でパリ五輪代表の前田穂南(27)=天満屋=が1時間11分17秒で優勝した。

 五輪モードへスイッチオン! 1月末に日本記録をマークして以来の国内実戦となった前田は「あまり練習は積めていなかったので、どれぐらいで走れるかわからなかったが、いい形で走ることができた」と手応えを口にした。序盤は男子選手とレースを進め、最初の5キロを17分6秒で通過。5〜10キロを16分59秒とペースアップして独走態勢に入り、その後は単独走で押し切った。

 2月にひざの痛みが出るなどコンディションが整わず、本格的な練習を再開したのは4月末。今大会は状態確認としては上々のレースだった。武冨豊専任コーチも「ここからパリに向けて切り替えられると思う」と前向きに捉えた。

 新しいシューズも好感触だった。箱根駅伝を走った大学生ランナーの声も参考に、坂の対応を考えてアシックスの厚底シューズ「メタスピードエッジパリ」を履いた。ハーフマラソンで試すのは初めてだったが「違和感なく走れたので、いいかなと思う」と収穫を得た様子だった。

 今大会が五輪前最後の実戦。今後は国内でアップダウンのあるクロスカントリーコースを中心に練習を積んだ後、米国で高地合宿をする予定だ。2度目の五輪に向け「体調を整えて、元気な状態でスタートラインに立ちたい」と意気込む。パリへのスイッチが入った。