◇19日 米男子ゴルフメジャー第2戦 全米プロ最終日(米ケンタッキー州、バルハラGC)

 【ルイビル(米ケンタッキー州)テッド・ムース】2021年東京五輪金メダリストの30歳、ザンダー・シャウフェレ(米国)が65と伸ばし、大会記録の通算21アンダー。初日からの首位を守り切る完全優勝で、メジャー初制覇、ツアー8勝目を挙げた。

   

 メジャー無冠の王者と言われていたシャウフェレが、ついにカップを手にした。初日に62と驚異的なスコアをたたき出し、首位を保ったまま最終Rへ。後半は13番からスコアが伸びず、一時的にトップを明け渡すこともあった。だが、20アンダーで迎えたパー5の最終18番で、バーディーを決めた。

 18番はボールはセミラフ、足はバンカーの中という第2打をグリーン左手前に運んだが、寄せはカップまで2メートルほど残した。先にブライソン・デシャンボー(米国)が同スコアで終えており、バーディーパットを外せばプレーオフ(PO)。意を決してまっすぐに打ったシャウフェレのボールは、左からカップを半周して沈んだ。

 2021年マスターズで松山英樹に競り負けたのをはじめ、メジャーのたびに優勝争いをしながら、タイトルに手が届かなかった。前週はロリー・マキロイ(英国)と最後まで競って2位に終わるなど、今季のツアーでもトップ10が8回ありながら、勝ちきれなかった。それだけに、「ずっと我慢していた。勝つって、本当に最高だ!」と感激。POになれば飛ばし屋のデシャンボーが有利だと思い、最後のパットは何度も読み直してラインを決断。渾身(こんしん)の一打だった。

 「この勝利で、五輪出場に大きく近づいた。たぶん(出場圏内に)入ったと思う」。次の目標として、五輪2連覇に照準を合わせた。