いつも大勢の観光客で賑わう小町通りでほっと一息つける「OXYMORON komachi(オクシモロン コマチ)」。ノスタルジックな雰囲気の漂うお店はオリジナルカレーとスイーツ、さらにお店で扱う器やエプロンなどの雑貨もそろい、話題が多いのも魅力です。時間をかけて丁寧に手づくりする美味しさを味わいながら、ゆったりとした時間を過ごせるお店をご紹介します。

どことなく懐かしさを感じる温かみと親しみやすさ

ドアを開けるとホッとする安心感につつまれる「OXYMORON komachi」。オフホワイトの壁にアンティークのテーブルと椅子といったシンプルなつくりながらも温かみがあり、はじめて訪れてもなぜか懐かしさを感じるお店です。

店名はギリシャ語の「賢い」という意味のoxysと「愚か」のmorosを語源とした英語で、相反するものを並べた言い回しは、お店のメニューにも表れています。辛いカレーと甘いスイーツが用意され、どちらも素材の持ち味を生かした手づくりの美味しさを味わいます。

味噌の甘みがスパイスにしっくりと馴染む和風カレー

好みの辛さを選ぶカレーは、豚汁からヒントを得たという「和風キーマカレー」、4種類の香草が特徴の「エスニックそぼろカリー」(1320円)スリランカのカリーパウダーで仕上げる「スリランカ風マトンカリー」(1320円)の3種類。和の要素を加えた「和風キーマカレー」は、スパイスに八丁味噌とゴボウを加えて煮込むやや甘めのカレーです。

たっぷりトッピングした青ねぎにスプーンを入れると、半熟卵の中からトロリとしたか黄身が顔を出します。添えられる高知県産の柚酢で仕上げたお漬物や三温糖とシナモンでキャラメリゼしたクルミも、ひと手間かけたお店の手づくり。箸休めや食後のちょっとしたお楽しみです。

古き良き昭和の時代の趣のある手づくりスイーツ

辛いもののあとは、プリンやレモンケーキなどのスイーツをぜひ。「カスタードプリン」は15年前の開店当初から変わらない、昔ながらのやや固めの焼きプリン。たまごの風味とバニラビーンズがほのかに香ります。定番のカスタードのほかに季節によってはチョコレートや栗、カボチャなどの種類が登場することもありますよ。

シンプルながらも存在感がある気になる器

お店で使うお皿やティーカップはユミコ イイホシ ポーセリンによるもので、購入もできます。手にしっくりと馴染んで使っていくうちに味わいを増し力強さも感じるもの、というこのお店のシェフ・ディレクターの希望通りの器で、シンプルなデザインは和食器のようでもあり北欧のテイストも感じます。

一点一点手作業でつくり、少しずつムラがあるもののそれが手づくりの温かみとなって伝わります。色あいも素敵で、和食か洋食、それともスイーツ、盛り付けをイメージするとなんでも合いそうでワクワクが止まりません。

手づくりのやさしい味わいを鎌倉のおみやげに

棚にはパティシエのつくる焼き菓子や、オリジナルブレンドの「マサラチャイ」(1620円/100g)なども並びます。マサラチャイの茶葉はネパールのイラム・トクラ産のCTC紅茶にお店のスタッフがシナモンやカルダモンなどのスパイスをブレンドしたお店の定番チャイです。

カレーをオーダーすると一緒に添えられる「くるみのおやつ」。くるみと三温糖、シナモンを材料にしたお菓子は、素朴な甘さが好評です。かわいいリスをデザインした巾着に入って、鎌倉のおみやげにも喜ばれます。手づくりの美味しさを持ち帰ってはいかがでしょうか。