デンマークの鬼才クリスチャン・タフドルップ監督によるヒューマンホラー映画『胸騒ぎ』より、90秒と30秒の予告編2種、本ビジュアル、場面写真が解禁された。

 本作は、世界中を恐怖のどん底に突き落とした北欧デンマーク発の「最狂ヒューマンホラー」。第38回サンダンス映画祭でワールドプレミア上映されるや、「『ファニーゲーム』に匹敵する衝撃」(The Film Stage)、「今年最も不穏な映画」(Cinemacy)、「ラスト15分が本当に恐ろしい」(The New York Times)と、大きな話題に。本国デンマークのアカデミー賞のロバート賞では11部門にノミネート。さらに、第41回モリンス・デ・レイ・ホラー映画祭の最優秀映画賞と最優秀映画音楽賞、第26回富川国際ファンタスティック映画祭の最優秀監督賞を受賞するなど、映画祭を席巻した。

 イタリアでの休暇中、デンマーク人夫婦のビャアンとルイーセ、娘のアウネスは、オランダ人夫婦のパトリックとカリン、その息子のアーベルと出会い意気投合する。数週間後、パトリック夫婦からの招待状を受け取ったビャアンは、家族を連れて人里離れた彼らの家を訪ねる。

 ビャアンとルイーセが、パトリック夫婦との再会を喜んだのも束の間、会話のなかで些細な誤解や違和感が生まれていき、それは段々と広がっていく。彼らの「おもてなし」に居心地の悪さと恐怖を覚えるも、その好意をむげにできないビャアンとルイーセ。善良な一家は、週末が終わるまでの辛抱だと自分たちに言い聞かせるが―。徐々に加速していく違和感は、観客を2度と忘れることのできない恐怖のどん底へと引きずり込む。

 メガホンをとったのは、俳優としても活躍するデンマークの鬼才クリスチャン・タフドルップ監督。脚本も手掛けた本作で描かれるのは、ある善良な家族が過ごす悪夢のような週末。そんな本作に、『M3GAN/ミーガン』『ゲット・アウト』など数々の大ヒットホラー映画を手がける米ブラムハウス・プロダクションが惚れ込み、日本公開に先駆けてジェームズ・マカヴォイ主演でリメイク版の製作も決定した。

 このたび解禁となった予告編(90秒&30秒)は、ビャアン一家が旅先で偶然出会った親切な家族に招待されるところから始まる。自然豊かなオランダの田舎町に招かれ、プールまで用意された家で楽しい週末を過ごせるかに思えたが、やがて不穏な雰囲気に。生まれつき舌がなく一切言葉を発しないオランダ人夫婦の息子や、窓の外からのぞく人影…次々に起きる違和感や不快感が積み重なり、加速していく。

 「あの家族嫌な感じがする」と、それまで好意をむげにできずにいた妻ルイーセも、夫ビャアンと娘を連れて帰ろうとするが―。映像の後半では、「善意が悪意を暴走させる」という言葉とともに、登場人物たちが絶叫するショットが次々に映し出され、善良な一家の運命の行方が気になる、恐ろしすぎる結末を予感させる予告編となっている。

 本ビジュアルは、何かを言いたげに口をぽっかりと開けた少年の顔が大きく配置されたもの。そのすぐ近くに添えられた「誰にも言えない、届かない」というコピーが、恐怖と想像をかき立てる。さらに下部には、北欧を感じさせる荒涼とした風景と夕闇のグラデーションのなか、絶望的な表情を浮かべた、ビャアン一家と思われる人物たちが乗る車が不気味に浮かび上がっている。

 場面写真では、ビャアンとオランダ人一家の夫パトリックが対面して咆哮(ほうこう)する衝撃的なカットや、シャワーを浴びるルイーセの背後に怪しい人影が映る不穏なシーンなどを収めている。

 映画『胸騒ぎ』は、5月10日より全国公開。