「トップのペタンコ」は加齢による髪の悩みでもトップクラスに上がる課題だろう。今どきはただボリュームが出ればOK! ではないし、毎朝時間をかけてセットするなんて手間はかけたくない……。そんな人に人気のスタイルが大人世代へのショートボブ。どうすればほどよくトレンドを取り入れた大人にふさわしい、柔らかさのあるショートボブになるのか。そこで大人女性から支持される『ミドル代官山』の丸岡奈央さんにプロが考えている悩み解消への対応テクニックを教わった。

幅広く楽しんでもらえるショートボブの魅力

「大人世代へのショートボブはショートが好きな方はもちろん、久しぶりに短く切って新しいお洒落に挑戦したいと思っているお客さまにも人気の髪型です。私はいつもその方の自己肯定感を高められるようなデザインを心がけています。それには年齢相応の遊び心やエッジを取り入れることが欠かせません。今回はいつもより少しモードなイメージを楽しんでもらえる提案をしてみました。

ポイントはきれいな丸みとウェイトを感じさせながら、トップのラフな動きや束感による抜け。これはイメージをアップするだけでなく、お悩みの解消にもつながります。特にペタンとボリュームが出にくい方にカット技術で用いるのが、トップ前の「土星の輪」のスライス。頭の頂点を軸としてアーチ状にスライスを取り、上に引き上げてレイヤーとグラデーションを重ねていきます。丸みを残しながら、動きが出やすくトップもふんわり。ショートの魅力を楽しんでいただくために必須のテクニックなんですよ」

満足度を左右する。エイジング悩み攻略法!

【BEFORE】髪質が細く柔らかく、ペタンとつぶれやすいのが悩み 【AFTER】トップに高さが生まれ、毛流れで自然なボリュームがアップ

「まず『土星の輪』の中心のパネルをオンベースで設定。そのガイドに合わせて2線目から引き上げていきます。なめらかなカットラインとなり、動きが出やすくトップもふんわり仕上がります」

トップの「土星の輪」とは…頭を球体として捉え、頂点を軸に土星の輪のようなイメージでパネルを取る。斜めスライスでパネルを引き上げてカットをすることで、なめらかなレイヤーが入る

「トップにボリュームを出す」カットのポイントはここ!

パネルを頭頂部の軸上に引き出してカットする。

OK|軸のガイドに合わせ、パネルを引き上げてカットすることでなめらかなレイヤーが入る。このレイヤーとグラデーションの重なりでトップがふんわりしつつ動きも出しやすくなる NG|逆にパネルを下の位置で切ると重さが残ってしまうため、トップに動きが出なくなってしまう。動きを出したくない部分はこの切り方で収まりを作るなど、カットは断面だけでなくパネルの引き出す角度でも効果が変わるのだ

美しいシルエットと毛流れによってペタンと見える悩みも解消。360度どこから見てもシェイプされた大人のショートボブが 完成した。顔まわりのニュアンスで今らしい雰囲気も楽しめる。

(出典:「PREPPY 2024年1月号」)

著者:PREPPY 編集部