ゴルフにはさまざまなルール違反が存在しますが、そのなかのひとつに誤球と呼ばれる行為があります。誤球とは具体的にどのような行為を指すのでしょうか。

誤球はビギナーからベテラン、誰もがやってしまうミス

 ラウンド経験がそれなりにあるゴルファーのなかには、間違えて同伴者のボールを打ってしまった経験がある人もいるかもしれません。このような行為は「誤球」と呼ばれ、罰打が課せられます。

白いシンプルなボールは、近くに転がると誰のものか分からなくなってしまうことも 写真:AC
白いシンプルなボールは、近くに転がると誰のものか分からなくなってしまうことも 写真:AC

 いわゆる「ルール違反」となり、避けなければいけない誤球ですが、防ぐための効果的な対策はあるのでしょうか?レッスンプロの三浦辰施氏は以下のように話します。

「『誤球は焦ったビギナーがやるミス』と考えているゴルファーもいますが、実際はプロであっても十分に起こりうるミスです。上級者クラスのプレーヤーであっても『あの辺りにボールが飛んだはず…』と探しにいって、お互い間違えたボールのままプレーしてホールアウトするケースも珍しくありません。そのため、まずは誰でもやってしまう可能性があると認識して、常にボールの確認をするクセをつけることが大切です」

「またビギナーの場合は、他人からもらった銘柄の異なるボールやロストボールを使用している人が多いため、必ず打つ前に確認する必要があります。よくあるのがOBを打った後に、焦ってポケットからボールを出して銘柄を確認せず打ち、自分でもどんなボールなのか判断ができなくなることです。自身でも把握していないので、なんとなくこの辺りに飛んだ気がする、と曖昧な状態で同伴者のボールを打ってしまう可能性もあります」

「ラウンド時のマナーとして、スタートホールでゴルフボールのメーカー名と番号を宣言してティーオフすることで誤球を防ぐという方法もあります。あえて宣言しなくても、同伴者がそれぞれどんな銘柄のボールを使用しているかを把握しておくことは大切です」

 もしも誤球した場合、プレーヤーは一般の罰(2罰打)を受け、元の球をあるがままにプレーしてプレーを続ける、または規則に基づいて救済を受けることにより誤りを訂正しなければなりません(規則6.3c(1))。

簡単にできる対処法は「マーキング」

「マーキング」の一例。大切なのは自分のボールだと一目でわかること
「マーキング」の一例。大切なのは自分のボールだと一目でわかること

 とくに同伴者が自分を含めて4人いる場合は、人気銘柄のボールを使用しているゴルファーは重複してしまうことも考えられます。ただ三浦氏は、自身のボールだと一発で分かる便利な対策方法があると話します。

「抵抗がある人もいるかもしれませんが、自分のボールだと一目で分かるようなマークをペンで書いてしまうのが効果的です。イラストでもサインでも何でもいいですが、とにかく目立つマークを付けておくのです」

「マーキングする際に注意するべき点は、ボールがどのような状態で着弾していたとしてもマークが識別できるようにすることです。とにかく一瞬で自分のボールだと分かることが、マーキングするうえでは最も大切です。ほかにもパッティング時に役立つ『一本線』や『十字線』を書く方法もありますが、ほかのゴルファーと被ってしまう可能性があるので、派手な色ペンを使用するなど工夫するとよいでしょう」

「ゴルファーのなかには、『ゴルフボールにそんな派手なマークをつけてもいいのか』と疑問に思う人もいるかもしれませんが、実際にJGAの公式規則6.3aには『プレーヤーはプレーしようとする球に識別マークを付けるべきである』とあり、むしろボールへマーキングすることを推奨しています」

 上司や取引先との接待ゴルフ等で誤球をしてしまうと気まずいですし、自身の評価を下げてしまうことにもつながる恐れがあります。一目で自分のボールだと認識できるような工夫をしておくと、安心してプレーできるでしょう。

ピーコックブルー