静かな環境の中でプレーするイメージの強いゴルフですが、ラウンド中はさまざまな掛け声が飛び交っています。一体どんな言葉があるのでしょうか。

同伴者の頑張りをねぎらう意味合いも

 プレー中は静寂な環境が求められるゴルフですが、コースを回っていると同伴者に向かって言葉をかけているゴルファーの姿を多く目にします。

 最もイメージしやすいのは、ティーショットが遠くへまっすぐ飛んでいった時に発する「ナイスショット!」。この一言があることで、同伴者と和やかな雰囲気でゴルフを楽しむことができますが、ラウンド中はこのような“掛け声”が大事になる場面がいくつかあります。

 ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、ラウンド中に発する掛け声について次のように話します。

写真がOKなら動画も問題ない? 写真:AC
写真がOKなら動画も問題ない? 写真:AC

「まず、グリーンでパッティングを決めることができた際には『ナイスバーディー!』や『ナイスパー!』のような感じで、カップインをたたえる言葉をかけてあげるといいでしょう」

「また、ボギーやダブルボギーなどスコアを落としてしまった際は、あまり『ナイス!』とは言いづらい状況かもしれません。そのときは『惜しかったですね』などと声をかけてあげるといいと思います」

「しかし、OBや池に入れてペナルティーが課せられたにもかかわらず、ボギーやダブルボギーに抑えられたのであれば、本来その人はパーやバーディーを決められるほどの腕前を持っているわけです。そのため『よくピンチを乗り越えてリカバリーできましたね』というリスペクトの気持ちを込めて、時としては『ナイスボギー』と声をかけてあげるのもいいでしょう」

 ゴルフは個人競技のスポーツとはいえ、同伴者と共にコースを回ることが一般的。そのため、ラウンド中は自分のことだけに集中するのではなくしっかりと相手のプレーも見て、いいショットをした時には声をかけて高く評価してあげることも重要なのです。

危険を知らせる「フォアー!」はマスト

「フォアー!」の掛け声は恥ずかしがらず大きな声で 写真:AC
「フォアー!」の掛け声は恥ずかしがらず大きな声で 写真:AC

 さらに飯島氏は「ゴルフの腕前に関係なく、危険を回避するための掛け声も覚えておかなければならない」と言い、以下のように話を続けます。

「もし、打ったボールが林を飛び越えて隣のホールに行ってしまいそうになったら、必ず『フォア―!』と自分が出せる最大限の大声で叫んでください。ボールが万が一、別のホールでプレー中のゴルファーの体に当たってしまえばケガをさせてしまうだけでなく、最悪の場合は命に関わるような大事故につながることもあります」

「打球事故が起きてしまうと取り返しのつかないことになりかねないので、少しでもほかのゴルファーに危害が及ぶ可能性があるのならば、なりふり構わず周囲に響き渡るくらいの大きな声を上げましょう」

「中には、ショットの直後にちょっと叫んだだけですぐにやめてしまう人も見かけますが、ボールは打ってから着弾するまでの間に10秒前後のタイムラグが生じるので、自分の息が続く限り叫び続けるのが大切です」

 ラウンド中の掛け声をきっかけに、同伴者との密なコミュニケーションが生まれてゴルフをより楽しめるようになるかもしれません。その一方で、発する掛け声一つが安全かつ快適なプレーにもつながるので、状況に応じた適切な使い分けがすべてのゴルファーに求められると言えそうです。

ピーコックブルー