ビギナーを悩ませるゴルフ場のアンジュレーション。傾斜地でもうまく打てるようになって、高難度のコース攻略を楽しみたいところです。傾斜地での基本的な打ち方をレッスンプロに聞きました。

コースでうまく当たらない理由は「アンジュレーション」

 ゴルフ練習場ではうまく打てるのにコースに行くと当たらない……。ビギナーに多い“ゴルフあるある”ですが、原因の一つに練習場には存在せず、コースには存在する「アンジュレーション」があります。

写真はアンジュレーションの(極端な)イメージ 写真:Getty Images
写真はアンジュレーションの(極端な)イメージ 写真:Getty Images

 アンジュレーションとはフェアウェイやグリーンの傾斜や起伏、うねりのことで、丘陵コースなどに多く見られます。

 地面が平らな練習場でうまく当たるようになっても、傾斜や起伏のある場所からショットする際には、それなりのテクニックや工夫が求められるので、コースではミスを起こしやすいわけです。

 では、アンジュレーションがきつい場所ではどのように打てばよいのでしょうか、レッスンプロの山本昌夫氏に打ち方の“コツ”を聞きました。

「まず、あらゆる傾斜に対していえるのがフルスイングをしないことです。決してムリをして飛ばそうとせず、クラブをボールにしっかりミートさせることが大切です」

「ツマ先上がりの時はスタンスを広めにとって下半身を安定させます。ボールが通常より高い位置にあるのでクラブを短めに持ち、上半身だけで振るイメージでコンパクトなスイングを心がけましょう。そうすると飛距離は落ちるので、状況に応じて番手を1つか2つ上げます。ボールが左に飛びやすくなるので、やや右方向を狙うとよいでしょう」

「ツマ先下がりではボールと手の距離が遠くなるので、傾斜に合わせてヒザを普段よりも深く曲げて重心を落とすのがコツです。ただし、ヒザを曲げるといつもより体が回しにくくなるうえに、スイング中にヒザの角度が変わってしまうとうまくインパクトできません。ボールは右方向に飛びやすくなるので、やや左方向を狙いましょう」

左足下がり&上がりでもコツが必要

 ツマ先上がり&下がりと同様、練習用では再現できないライに左足下がり&上がりがあります。これら2つの状況から打つコツについても山本プロに聞きました。

「左足上がりではクラブのロフトが平坦な場合と比べて、寝て当たりやすくなります。つまり、飛距離が出づらくなるので、状況に応じて番手を1つか2つ上げてゆっくりと振り抜きましょう。スイングすると傾斜につられて右足に体重が乗りやすくなるので、バランスが崩れないように構えた段階から右足寄りに体重をかけておくのがオススメです」

「左足下がりでは逆にロフトが立ち、想定していたよりも飛び過ぎてしまうことも考えられます。状況に応じて番手は1つか2つ下げましょう。ダフりやすい状況なので、ボールを1個ぶん右に置いてムリに上げようとしないのがコツです」

 ビギナーが傾斜地からのショットで悩むポイントに、「傾斜なりに立つべきか、それとも傾斜に逆らい重力に対して垂直に立つべきか」もあります。この疑問に対して山本プロは、「傾斜なりに立つと指導するプロも多いようですが、私は重力に対して垂直に立つことを意識したほうが、より安定的でかつ自然なバランスのとり方になると考えています」と回答します。

 アンジュレーションはビギナーにとってゴルフの難度を上げる厄介なものです。状況に合わせた打ち方を知り、様々なコースを経験していけば、徐々に苦手意識もなくなっていき、コース攻略の楽しみを味わえるようになっていくかもしれません。

ピーコックブルー