実際に試打をしながらマイパレットを作ろう パレットの正解は自分で構築する

14項目から選び実践したとき、ボールが飛んだり飛ばなかったり、左に飛んだり右に飛んだり、スピンがかかったりかからなかったりすることでしょう。項目それぞれに打球の特性はあります。例えば、パレット項目①のグリップをフックにすれば飛びやすい、ウィークにすれば飛びづらいと一般的には思われています。ですが、その他の13項目を組み合わせたとき、飛ぶ、飛ばないの現象が真逆になることがあります。つまり、項目を組み合わせると化学反応が起こり打球が変化するのです。そのため「正解はこれ!」と決めつけずに、実際に試打しながらマイパレットを作る作業が必要になります。

この章は大まかなシチュエーションを例にし「問題集」として出させていただきました。シチュエーションを紹介した次のページにマークシート式の「解答用紙」がありますので、自分なりに自己構築してみてください。その次のページは、私が状況をイメージして自己構築をした例を入れさせていただきました。球筋の違った2パターンを紹介していますが、注意していただきたいのは、これが正解ではないということです。私の正解は皆さんの正解ではなく自分で導き出すものです。同じシチュエーションは1つとしてありません。ですので、同じ選択になるわけがないからです。パレットを組み合わせる参考にしていただければ、項目の相性も見えてきます。

14項目を判断・選択するのが難しい方へ

14項目を判断・選択するのが難しい方へ『スピンを操る The Approach Palette』

状況や打つショットによって変わりはするが、難しいと思う方は以下の3つからパレットを組み合わせて試してみよう。

グリップの向き❶  フェースの向き❼  入射角➓

じつはスタンスの向きやボールの位置などは、普段から意識して実践している項目。ただ、グリップの向きはいつも同じだったり、フェースの向きも開くことがあるけど閉じることはないなど、あまり意識、注意をしてはいない項目だったりする。また入射角は意識することで、スタンスの向きや肩のラインの向き、ボールの位置、体重配分などが連動してくる。この3つを意識すれば、それ以外の項目の「気づき」にもなる。

【シチュエーション07】ツマ先上がりの傾斜 フック回転のなりやさすを相殺して攻略 シチュエーション

ツマ先上がりの傾斜/シチュエーション『スピンを操る The Approach Palette』

ツマ先上がりはボールが捕まりやすい状況。左に引っかけないための組み合わせを考えてください。ハンドアップは、フェースの向きを左にしないための選択になります。

伊澤の攻略・提案A

ツマ先上がりの傾斜/シチュエーション提案A『スピンを操る The Approach Palette』

※こちらの状況写真はあくまでイメージです。実際のシチュエーションとは異なりますのでご了承ください。

スライス回転を利用して左傾斜を攻略する

ツマ先上がりの傾斜/スライス回転を利用して左傾斜を攻略する『スピンを操る The Approach Palette』

フックしやすい状況を相殺するため、右足体重でボール位置も右、さらにハンドファースト、ハンドアップにしています。ちなみに、ロフトが立っている番手を使うことも、左傾斜を相殺する方法の一つです。

ツマ先上がりの傾斜/スライス回転を利用して左傾斜を攻略する2『スピンを操る The Approach Palette』

オープンスタンスだがフェースと肩のラインは目標に向け、ボールは右足寄り。

ツマ先上がりの傾斜/スライス回転を利用して左傾斜を攻略する3『スピンを操る The Approach Palette』

左への出球を防ぐためにもヘッドをいかに走らせないかがポイント。

ツマ先上がりの傾斜/スライス回転を利用して左傾斜を攻略する4『スピンを操る The Approach Palette』

クラブを短く持ち、手を高くして構えることで、フェースが左を向くことを防ぎ、左に行きやすい条件を相殺している。

出典:『スピンを操る The Approach Palette』著/伊澤秀憲

【著者情報】
●伊澤秀憲
二度の賞金王、伊澤利光を叔父にもち、インストラクターの祖父・利夫さんより2歳から英才教育を受けてきた。同年代の石川遼プロとは親交が深く、技術的なアドバイスを送るなど、その卓越した指導法でも注目を集める。特に”アプローチの神”とされるショートゲームについては多くのツアープロから支持を集めている。アンダーパー所属。