昔ながらのイメージで「ゴルフ=接待」と考える人も少なくないですが、なぜ数あるスポーツや娯楽の中でゴルフが接待に向いていると言われるのでしょうか。

仕事に直接関係のない話もしやすい

 最近は、若い世代にも人気のゴルフですが、一昔前までは「おじさんのやるスポーツ」といったイメージが世間には浸透していました。

 また、バブル時代を筆頭に会社の上司や取引先とともにプレーをする接待ゴルフも盛んに行われていたため「ゴルフ=接待」と連想する人も少なくないです。

接待も社会人にとっては必要なスキル?(写真はイメージ) 写真:AC
接待も社会人にとっては必要なスキル?(写真はイメージ) 写真:AC

 なぜ数あるスポーツや娯楽の中でゴルフが接待に用いられるようになったのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「接待と聞くと、高級な飲食店でお酒を酌み交わしながら取引に関する話をするようなイメージを持つ人もいると思います。しかし、お店に滞在する時間はせいぜい2時間ほどである場合が多いので、仕事だけの話題で終わってしまう人もいるでしょう。一方、ゴルフは、まず18ホールをラウンドするのに5時間程度かかり、さらにランチや入浴時など言葉を交わす機会が多くあります」

 ゴルフを一緒にプレーすると、コミュニケーションの幅が広がるといいます。

「飲食店で接待をする際はスーツを着て少し堅苦しい中で行うことが多いですが、広々としたゴルフ場でリラックスしていれば、仕事に直接関係のないプライベートの話も増えてより親密な関係を築きやすくなります」

 ほかにも理由はあり、高級な飲食店で接待をすると、お酒の種類や量によっては短時間で高額になることもありますが、ゴルフは長い時間をある程度の金額で抑えることができます。会社の経営者など重役を務めている人は、ゴルフを趣味としていることが多く、通常の会合ではめったに会えない人と直接交渉ができることも良い点です。

ゴルフは相手がどんな人が見極めやすい

 飯島氏は、接待でゴルフを使うと今後取引したい相手かどうかを見極める判断材料にもなると話します。

「ゴルフは喜怒哀楽が出やすいスポーツであり、コースマネジメントやプレー中の態度はその人の中身が顕著に表れます。ルールやマナーをしっかり守り、ゴルファーとしてだけでなく社会人としての配慮ができているか判断するのにゴルフは非常に向いています。

 同伴している目上の人にスコアを合わせりして気分を乗せようとする接待ゴルフには、否定的な考えを持っている人も多いです。しかし「接待」という言葉に過敏にならなければ、ゴルフはビジネス面で人間関係を良好にするツールとしても、便利なものと言えるでしょう。

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