アバルトの名車、「1300OT」がアルファ・ロメオ4Cベースで復活 世界でたった5台のみの限定生産
1960年代のアバルトを代表する名車
1960年代を代表するアバルトの名車が現代的に再解釈された「アバルト・クラシケ1300OT」。すでに欧州で注文が受け付けられていて、5台の限定モデルとして生産される。今回は3分の1スケールのモデルとレンダリング・イメージが公開された。
フィアット850ベースのレーシングカー
ヘリテージの「リローデッド・バイ・クリエーターズ」プロジェクトの一環として企画されたこのスペシャル・エディションは、1965年に誕生した「フィアット・アバルト1300OT」がモチーフになっている。「フィアット850」をベースにまったく別物のボディを持つレーシングカーで、優れた敏捷性とパワーを擁し、サーキットで鮮烈な印象を残している。
現在のアバルト・クラシケのヘリテージ・チームは、そのスタイリングやパフォーマンス、歴史を融合させた新しいアバルト・クラシケ1300OTとして蘇らすことで、その価値に敬意を表した。
現代風に解釈されたエクステリア
さらに、この新作はアルファ・ロメオ4Cをベースに製作された「アバルト・クラシケ1000SPプロジェクト」とメカニカルの面で多くを共有している。
カーボンファイバー製ボディには、ルーフに現代的なキーで再解釈された「潜望鏡」の愛称を持つエアインテークを導入。冷却用のスリット入りプレキシガラス製のリア・ウィンドウと、「Abarth」のレタリングが施されたエンジン・ルーム用の大型リア・グリルが、ヒストリックカー由来のデザインであることを主張している。フロント・エンドはしなやかなカーブを描き、往年のアバルト・スポーツカーを想起させる。アバルト・クラシケ1300OTはアバルトにとって特別な5台になるといえるだろう。
アバルト・クラシケ1300OTの3分の1スケールのモデルとレンダリング・イメージも展示される今回の特別展では、カルロ・アバルトがチューニングした最初の2代目フィアット500で1958年にモンツァ・サーキットで6つのスピード記録と耐久記録を樹立した「アバルト500レコード・モンツァ」から、「ポイズン・ブルー」のカラーが施された「アバルト500e」やエンジンの排気量の1368ccにちなんで1368台が限定販売される75周年記念の特別仕様車といった最新モデルまで、ミュージアムのエントランスに12台、展示エリア内に26台のアバルトの名車たちも並べてられている。
文=塚田勝弘
(ENGINE WEBオリジナル)