PTAに対して「子どもが学校に通うようになったら、PTAに入らなければならない」「会費を払って当然」というイメージを持っている保護者は多いのではないでしょうか。しかしPTAは、全員が必ず加入しなければならない組織ではなく、加入しなければ会費も払わなくて構わないのです。   本記事では、PTAとはどのような組織なのかを解説するとともに、その仕組みや、会員にならないことで生じる影響を紹介します。

PTAとは?

 

PTAは、家庭教育の充実と、子どもたちのために学校や地域と連携して活動することを目的とする団体です。子どもの健全育成のために保護者同士が連帯して、学校とも情報の共有をしながら、学び合える場としての役割があります。
 
多くの学校でPTAが組織され、学校によって違いはありますが、おもに次のような活動を行っています。

●バザーの運営
●廃品回収
●ベルマークの収集

各学校のPTA会員の中から役員が選出されて、分担して活動や行事の運営に携わるのが一般的です。PTA活動に必要な予算は、PTA会費として会員から徴収したお金でまかなわれています。
 
また、日本PTA全国協議会は、PTAを成人教育の場としても位置付けています。PTAには、よりよい保護者・教師であるために、大人自身も学び成長していける組織としての意味合いもあるのです。
 

実はPTAは全員強制加の制度ではない

 

子どもが学校に入学すると、当たり前のようにPTA会費の徴収や役員選出のお知らせがくることから、PTAは、児童生徒の保護者が平等に加入しなければならない組織だと思っている人もいるでしょう。しかし、実はPTAへの加入は強制ではなく、任意で加入を選択できる組織です。
 
現に、全国PTA連絡協議会によると、東京都PTA協議会が実施した「PTAにおける実態調査」では、東京都内の公立小学校では、全体の7割で、PTAの加入率が100%を切っています。表題のPTA会費を支払っていないママ友も、そもそもPTAに加入していない可能性もあるでしょう。しかし、PTAに加入しているようであれば、会費は支払う必要があります。
 
任意の組織である以上、PTAの入退会は自由に行えなければならず、本来であれば保護者に対して、事前説明と意思確認が行われることが望ましいでしょう。しかし、同実態調査では、説明と意思確認の両方を実施したPTAは、約64%という結果が出ています。
 
現状は、PTAが任意加入の組織であることを知らないまま、学校からの案内にしたがって会費を払っている人も多いことが想像できます。
 

PTAに加入しないことでデメリットはないの?

 

PTAは任意加入の組織ですが、PTAに入らないことで、子どもに不利益が全くないとはいいきれません。例えば、PTAの会費で行うイベントや卒業記念品の配布について、加入世帯と非加入世帯で扱いを区別しているPTAもあります。
 
同実態調査では、非加入者をイベントなどの対象外にしているケースが約19%、実費負担を求めるケースが約20%という結果が出ています。また区別がないケースでも、会費を払っているほかの保護者が不公平だと感じたり、クレームにつながったりする懸念もあるでしょう。
 
任意加入の組織とはいえ「会費がもったいない」という理由で安易に加入しない選択をせずに、組織の活動の意義や、子ども自身にどのような影響があるのかを考えて、加入するかどうかを検討することが大切です。  
 

PTAの会費負担は自分の意思でやめられる

 

PTAへの加入や会費の支払いは強制的なものではなく、加入しないことや退会することを自由に選択できます。PTAの活動自体をやめる学校も増えており、地域によっては「PTAへの加入は当たり前」という風潮はなくなっている場合もあるでしょう。
 
しかし、PTAに加入せず、会費を払わないことで、子どもの学校生活にマイナスの影響がある場合もあります。金銭的な損得だけではなく、子どもへの影響も考えて、加入・非加入を検討しましょう。
 

出典

公益社団法人 日本PTA全国協議会 はじめましてPTA
一般社団法人 全国PTA連絡協議会 PTAにおける実態調査の結果から
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー