新卒直後の年収は、横一線とまではいえませんが、あまり大きな差はありません。しかし、社会人となって20年も経過すれば、業種や職種ごとではもちろん、成績や昇進などによっても年収差が顕著になります。45歳は、社会人としては働き盛りです。にもかかわらず、年収が350万円であれば納得いかないという人もいるでしょう。   今回は、40代で年収300万円台半ばは、一般的にみて稼げているのかいないのかを考えます。

40代の平均年収

国税庁公表の「令和4年分 民間給与実態統計調査」の結果によると、日本の給与所得者の平均年収は458万円でした。40代前半の平均年収は491万円、40代後半の平均年収は521万円となっています。この数字だけをみると、45歳で年収350万円は、稼げていない方といえるでしょう。
 
次に、性別ごとの平均年収をみてみます。40代前半の男性の平均年収は602万円、女性は335万円です。40代後半の男性の平均年収は643万円、女性は346万円でした。40代男性の平均年収は600万円を超えているため、45歳男性で年収350万円は平均と比べると低い可能性があります。しかし、女性の場合は平均と同程度となるでしょう。
 

周囲や平均との比較はほどほどに

同年代の人と会話をしたり、上記で紹介したような統計データをみたりすると、自分の年収があまり高くないことに気づく人も少なくないでしょう。しかし、周囲や平均との比較はほどほどにしておく意識も重要です。すべての人が平均年収と同じになることは基本的にはありません。
 
それ以上に、現職に対してやりがいを感じたり誇りを抱いたりしているかが大切です。また、ストレスの程度も見逃せません。残業が少なければ心身の健康状態も保ちやすく、趣味などにも時間を費やせます。
 
将来にわたり重要な業種・職種である場合、年収こそ高くはなくても安定した収入源となりうるでしょう。あくまでも自分が納得しているかどうかが重要な判断基準となります。
 

年収を上げる方法

仕事は収入以外にも大事な要素が多々あり、周囲や平均との比較もほどほどにした方がよいといわれても、収入は多いに越したことはありません。ここでは、少しでも年収を上げる方法を考えてみましょう。
 
・転職を試みる
転職は、収入を上げる方法の1つとなりえます。失敗は避けたいため、入念なリサーチと自己分析などを徹底し、必要に応じて転職コンサルタントなどのサポートも受けながらの転職活動が求められます。
 
・収入源を増やす
本業のみでは年収350万円程度が限界である場合、本業とは別に収入源を増やし、トータルの年収を上げるのも一案です。副業で月に2〜3万円程度稼ぐだけでも、年収はプラス30万円ほどとなります。収入源がいくつもあれば、そのぶん総年収も上げられるでしょう。
 
・資格取得や勉強に精を出す
成果によって収入が上下する企業に属していたり、あるいは職種に従事していたりする場合は、資格取得や知識・技術の獲得により収入を上げられる可能性があります。転職や副業が難しい場合は、そうした方法で年収アップのために努力をするのもよいでしょう。
 

年収は努力と行動次第で上げられる

40代の平均年収は500万円前後です。男性の場合は600万円を超えます。45歳で年収350万円の男性は平均と比べると少ないため、稼げていないと思う方もいるでしょう。女性の場合は平均と同程度の年収だといえます。
 
しかし、過剰に平均と比較する必要はありません。仕事に対してやりがいなどを感じているかが重要です。また、年収は転職や資格取得などにより上げられる可能性もあります。周囲との比較に終始するのではなく、年収を上げるための行動をとってみましょう。
 

出典

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査−調査結果報告−
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー