自動車の購入はマイホームに次ぐほどの、人生でもかなり大きな支出の一つです。そして、住宅の固定資産税などと同じように、自動車を保有していると必ず支払わねばならない自動車税があります。   税金の支払いは義務ですので、払う必要はもちろんありますが、可能であれば節税したいと考える人も多いのではないでしょうか。   本記事では、軽自動車を4月に購入すれば、税金がお得になる理由について解説しています。

自動車税とは

自動車に関する税金はいろいろありますが、自動車税とは、自動車の総排気量や用途に応じて課税される税金です。総務省によると、自動車に対する税は、自動車を所有することによる財産税的な性格や、道路損傷負担金的な性格などから課されるとしています。
 

自動車税はいくらかかるのか

数ある自動車に関する税でも、自動車を保有していると毎年かかるのが自動車税です。具体的にいくらくらいかかるのでしょうか。
 
まず普通車ですが、自家用車でも総排気量によって税金の金額が異なります。例えば、1000cc以下は2万9500円、1000cc超〜1500cc以下は3万4500円、1500cc超〜2000cc以下は3万9500円などです(いずれも2019年9月30日以前初回新規登録)。
 
続いて軽自動車ですが、自家用の軽自動車の自動車税は一律で「1万800円」です。
 

普通車は月割りがあるが軽自動車税は月割りがない

自動車税は自動車を保有していればかかります。そのため、基本的には自動車を購入した後は、2年目も3年目も同じ金額の自動車税を支払う必要があります。
 
そして、自動車税は毎年4月1日時点で自動車を保有している場合に支払う税金です。しかし、普通車と軽自動車において、月割りに関する考えが微妙に異なる点が存在します。
 
具体的には、普通車には月割りの考えがありますが、軽自動車にはありません。
 
例えば、普通車は自動車税を6月に新車登録をした場合、翌月の7月から翌年3月までの9ヶ月分の自動車税を新車購入時に支払います。
 
一方、軽自動車の場合、新車購入時に自動車税の支払いはありません。そして、新車購入後初めて4月1日を迎えた時点で支払い義務が発生します。そのため、もしも4月2日に軽自動車を購入した場合、「ほぼ1年分の税金がかからない」ということになります。
 
軽自動車は4月2日以降のなるべく早い日に購入すると、自動車税という観点で見た時にはお得であると言えるでしょう。
 

税金以外の要素も検討しよう

軽自動車の購入を考える場合、自動車税のことだけを考えるのであれば、4月2日以降のできるだけ早いタイミングで購入すれば節税につながります。
 
しかし、自動車を乗り換える際には、その他の要素も検討すべきです。例えば、自動車を乗り換える際には、今まで乗っていた車を売却するケースも多いでしょう。
 
売却価格は車の走行距離や型式、売却するメーカーや時期などさまざまな要素によって変動します。ただ、1〜3月の時期は就職や転勤、売却先の決算時期などの関係で、買取価格が上がっていくことも少なくありません。また、同じ理由で7〜9月も比較的高く車が売れる可能性がある時期です。
 
軽自動車税は節約しても1万円程度ですので、それ以上に売却価格が高い時期があれば、トータルで考えると4月2日にこだわらないほうがお得な場合もあります。
 
なお、先述のとおり自動車税は4月1日時点で車を保有している場合にかかる税金です。例えば、売却価格が高い3月に車を売却し、4月の中旬くらいに軽自動車を購入すれば、売却価格を高くしつつ、節税も見込めるかもしれません。
 

まとめ

軽自動車は、4月2日以降のなるべく早い時期に購入すると、自動車税がお得になります。とはいえ、今まで乗っていた車を下取りに出す場合、できるだけ下取り価格が高いタイミングで乗り換えをしたいところです。
 
税金のことを考慮しつつ、トータルコストがどうなるかを意識しながら、乗り換えを検討しましょう。
 

出典

総務省 自動車税
総務省 2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります
総務省 平成28年度から軽自動車税の税率が変わります
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー