インターネットを通じて買い物をしたり、知人への贈り物をしたりする際に自宅まで届けてくれる宅配サービスはとても便利です。しかし、宅配サービスを利用した覚えがないのに、メールやSMSで「不在通知」が届いたことはありませんか?   そのような通知を、本当に宅配業者からの連絡か十分に確認せずに、本文中から再配達の申し込みを行ったり、アプリのダウンロードを行ったりしてしまうと、高額な料金を請求されてしまう場合があります。   本記事では、SMSなどで送られてくる「不在通知」の危険性や、その対処法について解説します。

宅配業者になりすました詐欺の可能性がある

近年、宅配業者になりすましてSMSなどで「不在通知」を送信し、偽サイトに誘導する手口の詐欺が増えています。
 
独立行政法人国民生活センターによれば、年度別相談件数も2018年度以降増加しつづけ、2020年には4377件になっています。同センターの相談事例によれば、SMS内の偽サイトにアクセスしてしまうことでの被害は以下の通りです。


・何者かにより、自分の携帯電話番号から海外あてに100回以上SMSが送信され、1万円の通信料を請求された
・勝手に不正なアプリがインストールされた
・偽サイト内で個人情報入力を促され、入力したところ、約11万円のキャリア決済での請求がきた
・偽サイト内の入力フォームに宅配に必要な情報を送信したところ、約9万円の決済が行われてしまった

こういった手口の詐欺があることを念頭に置き、適切に対処する必要があります。
 

覚えのない「不在通知」への対処法

もし宅配を頼んでもいないにもかかわらず「不在通知」が入っていた場合、安易に記載されたURLにアクセスするのは危険です。
 
それでも、もしURLにアクセスしてしまった場合には、個人情報やID・パスワードを入力したり、アプリのダウンロードをしたりせずにすぐブラウザーを閉じましょう。万が一、気づかずに操作をしてしまった場合には、以下の対処法を行いましょう。


・入力したID、パスワードは直ちに変更する。
・クレジットカード情報を入力した場合には、明細をよく確認し、使った覚えのない請求があればクレジットカード会社へ連絡する。
・不正なアプリをダウンロードしてしまった場合には、携帯の電波を切ることのできる「機内モード」にしてアプリを携帯から削除する。もし不安が強い場合には、携帯の初期化を行う。
・最寄りの警察署や消費者生活センターへ相談する。

また、あらかじめ携帯会社の提供しているセキュリティーソフトやメールのフィルタリングサービスがご自身の携帯に適用されているかを確認することも重要です。
 
宅配業者は、オンラインでの通知とは別に、郵便受けに不在通知の紙を入れる場合も多いでしょう。宅配をした心当たりがないにもかかわらず通知が届いていたら、郵便受けの不在通知の有無を確認することで、本当に宅配業者が家まで来たのかを確認できます。
 

覚えのない「不在通知」へのアクセスは危険。送信元や配達履歴をよく確認しましょう。

偽の「不在通知」は巧妙に作られており、普段どおりに宅配の手続きをしてしまうこともあるかもしれません。
 
しかし、それがきっかけで不正利用や高額請求などに個人情報を悪用されるおそれがあります。届いた「不在通知」が本当に宅配業者から送信されたものなのか、十分に確認しましょう。
 

出典

独立行政法人 国民生活センター 宅配便業者を装った「不在通知」の偽SMSに注意しましょう−URLにはアクセスしない、ID・パスワードを入力しない!− 1〜4ページ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー